-80yrs Memorial Run to The Northernmost-
10.オロロンライン第2弾
7月13日(土)留萌の空は降っていると言うほどではないが空気は湿り気をおび重たい。このホテルは食事なしなので昨晩コンビニで求めたおむすびとお茶で朝食を済ます。出発は8時20分。休日の早朝だからだろうか、街は昨晩以上に閑散としている。今日のルートは昨日走ってきた国道231号線をさらに北上、天塩町で国道と別れ、日本海に沿う道道106号線を走り、サロベツ湿原の中ほどで、一旦東へ方向転換、サロベツ原生花園に寄った後、再び道道106号に戻り、ノシャップ岬を目指す。そこから宿泊地稚内中心部は指呼の間だ。
街を出ると道は少しの間北西に向かい留萌川を渡ると間もなく海岸が見えてくる。交通量は少なく適当な距離を置いて地元のものと思われる小型トラックの後を追う。今回のドライブでは極力この走法を使うよう心がけている。理由はレーダーパトカーの存在だ。最近の北海道速度違反取締は固定レーダーを撤去しこのタイプが増えているからである。警告灯の間に小型レーダーを設置、道路脇の目立たぬ所に停車して計測と写真撮影をするのがこの通称レイパト。これだと双方行のクルマを取り締まれるし場所も固定されないから引っかかる割合が高いらしい。何とも姑息な手段だ。
海岸に沿う道は留萌までの険しい岩壁を削り取ったような道路と比べ、右側の台地がなだらかで地形が優しい感じを与えている。左側の日本海も雲は重いが白い波頭はなく穏やかな海だ。前を走る小型トラックが進路を変えて去って行くと。遥か後方にバイクらしいヘッドライトの灯が見える。「白バイ?」と少しスピードを落とすと、後ろについたのはハーレーの大型バイク、後部座席にも人が居り、こちらを抜き去る気配も見せず追従してくる。予定していた最初の休憩地点道の駅“おびら鰊番屋”の駐車場に入ると彼らも同じようにここで一休み、雨除けヘルメットをとった二人は中年の男女、多分夫婦だろう。ナンバープレーは札幌。括りつけられている荷物の量から推察すると、この3連休を利用した長距離ツーリング行か?番屋到着9時ジャスト。
駐車場は道の駅の建物とセットになっている。2階には“歴史文化保存ホール”なども設けられているので、初めはこれが国の重要文化財“旧花田家番屋”につながるのかと思ったがその気配はない。一旦外に出てみると南側にかなり距離を隔てて古めかしい大きな木造の建物が在る。その前にも駐車場はあるのだが整備状態が悪く、誰もクルマを停めていないので気がつかなかった。これが“旧花田家番屋”だった。人の気配はしないがその正面玄関に行くと入場券の自動販売機があったので券を購入してガラス戸を開けた時、後ろにライダーらしい若い男が居た。同じような見学者と思い、引き戸をそのままにしておいたところ、彼は入口で写真を撮ろうとした。すると左手にある受付のような所から老人が飛び出してきてそれを遮る。入場料も払わず無断撮影をしようとしていたのだ。
ここは一見の価値がある。明治後期に建てられ、往時は200人のヤン衆(ニシン漁の季節労働者)が吹き抜けの回廊のような空間で寝起きした大部屋とその賄いや食事の場、用具収納庫、親方たちの個室、網元一族の使っていたい生活の場、事務所の機能、更に漁場を見晴かす櫓などで構成されている。日本近代遺産の一つにも選ばれている。
10時前“鰊番屋”出発。空は次第に明るさを増してくる。道はそれまでと変わらないが山側に風力発電の風車が何基も現れる。苫前(とままえ)だ。その先に在る羽幌の町はかなり大きく、炭鉱で栄えた名残りだろう。道はしばらく海を離れ、次の休憩地点道の駅“初山別(しょさんべつ)”は国道から一旦離れかなり海側に入り込んだところに在った。10時半到着。ここから先は丘陵地帯を長い距離直線で抜ける部分が多く、おまけにアップダウンが適度にあって、それが遥か先まで見渡せるので、痛快なドライブを楽しめる。国道231号から道道106号へ乗り換える道の駅“天塩”到着は11時15分。駐車場には沢山バイクが停められ、天候が晴に転じているので着替えをしているライダーも居る。断崖が続いた留萌までのオロロンラインを第一弾とすると起伏する丘陵地帯を駆け抜けたここまでの道は第二弾。そしてさらに景観が一変するこの先が第三弾だ。
写真上から;この日のドライブルート、旧花田家、花田家前の海、道の駅天塩
(次回;サロベツ湿原とノシャップ岬)
0 件のコメント:
コメントを投稿