2012年5月13日日曜日

歴史街道を行く-吉野・高野山・龍神を走る-(4)



4.予期せぬ奈良への道
新東名から東名へ戻るのは新設の三ケ日IC。一段とトラックが増え、2時間近い快適な運転がここで絶たれる。しかし、しばらく道そのものは単調なので、このルートで一番複雑な豊田JCT手前まではナビの力は不要だ。直前の美合PAまで頑張ることにする。実は自宅を出たときから、地図と音声案内を適宜活用するために、カーナビに目的地設定はしないものの、電源だけは生かしておいた。地図の更新がされていないので新東名は対応できず、既存の一般道路といたるところで案内ロジックが混乱を起こしていた。
美合PAでセットしたのは東名阪道終点、亀山PAである。一気に奈良としなかったのは、自宅のPCでナビタイムを用いてルート探索を行うと、名神あるいは新名神を選び、瀬田東JCTで京滋BPに分かれ、京奈和道を経て奈良に北の方から入る道を選んでくるからである。このルートは時間的には早いのだが、東名・名神は東西を結ぶ最も交通量の多い幹線路、気持ちの安まるところが無い。大都会の無い名阪道に比べ運転の楽しみは激減する。亀山PAのセットはこの名神・新名神を避けるルート選択の要件なのだ。
美合PA出発は11時丁度。スパゲティ状の豊田JCTを間違いなくパスし、この地方の産業道路として車両の出入りが多い伊勢湾岸道路をタイムリーな車線変更で通り抜け、東名阪に出るのに、カーナビが期待通り大いに役立った。亀山PA到着は1210分。さほど大きくないレストランは昼食時で大賑わい、何とか席を見つけて天婦羅うどんにありついた。
ここから奈良への道程は、自分の案としても、ナビタイムのルート選択としても、天理ICか郡山ICで下りて一般道(169号線か24号線)を北上するものだった。奈良市内の目的地を東大寺周辺にすると天理ICから169号線を選んでくるので、予め通知してあるチェックイン時刻(5時)には充分余裕があることから、大仏殿駐車場を目的地としてルート探索を行った。結果は予期せぬものだった。
その道筋は、和歌山工場勤務時代から何度も通った名阪自動車道だが、名前を全く覚えていない山添ICで下り、奈良県道80号線をひたすら西へ向かうものだった。この道を採ると天理や郡山のような大きな町を経ずに、東から直接奈良の中心部に入り込んでいく。無論距離は最短距離、奈良盆地は南北に長いが、東側は直ぐ近くまで山地が迫っている。盆地内の平坦で代わり映えしない幹線道路を走らなくて済むのが良い。
亀山からの名阪道は早くに無料の自動車専用道路として建設されたものだが、未だに産業道路的な性格は希薄で、過疎で山がちな地形の中の運転を楽しめる。
山添ICで下りると県80号線は期待以上の道だった。交通量は極めて少なく、下りたとき前を走っていた奈良ナンバーの大型ベンツ(Sクラス)に適度に距離を置きながら、奈良市内まで追従できたほどである。アップ・ダウン、曲がりも楽しめる山道。ときどき村落が現れ、遅咲きの桜並木からハラハラと花吹雪が舞う。長閑な午後のドライブを、名阪道と合わせて2時間ほど続けて、220分県庁前の登大路駐車場にたどり着いた(大仏殿駐車場は満車)。
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(次回;久し振りの奈良観光)

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