ワシントンDCを訪れた人の多くはモール(国会議事堂とリンカーン記念堂に挟まれた緑地帯)周辺の博物館や美術館に出かける。中でもスミソニアン航空宇宙博物館は最も人気のある場所だ。私もここを7,8回見学している。人類最初の飛行をしたライト・フライヤー、単独ニューヨーク・パリ間無着陸飛行をしたリンドバーグのスピリッツ・オブ・セントルイス号(右上)、音速を始めて突破したベル・X-1、アポロなど歴史的な飛行機や宇宙船が展示されている。
1995年ここで特別な飛行機が展示され大きな話題になった。それは戦勝50周年を記念する、広島に原爆を投下したB-29、エノラ・ゲイで、その是非が日米双方で激しく論じられた。この年の11月デラウェア州のウィルミントンで開かれた提携先のユーザー会に出席しあと休日を利用してスミソニアンに出かけた。さすがに4発エンジンの大型機をここに納めることは出来ず、機首部分だけの展示となったが(左)、初めて見るB-29 に、原爆投下のみならず、日本を壊滅させたその力と技術(設計・生産)に圧倒された。
2000年、別のユーザー会にお得意さんの役員と同行してワシントンに出かけた。エノラ・ゲイの話をすると「是非見たい」とのご要望。早速博物館に行き、以前の展示場所に行ったが、無い!インフォメーションで聞いてみると、「あの機体は50周年記念行事の後片付けた。現在新しい別館が建設中で3年後に見られる」と言う。
2003年12月、ワシントン・ダレス空港に隣接する別館オープンを知らせる、小さな新聞記事を目にした。実際に出かける機会はそれから1年あまり後、2005年の二月にやってきた。計測制御システム調査会社の会議がフロリダで開かれ、その帰途IBMの上級役員であった友人に会議と関係する情報を聞かせてもらうため、自宅に滞在することになり、その際案内してもらったのである。
彼の住まいはポトマック川の南のマクリーンと言う高級住宅地(閣僚なども住んでいる)にあり、ここはワシントン市街とダレス空港の中間点に在って、見学には持って来いの場所だった。小さなお城のような彼の邸宅(右上)からポルシェ・カレラで別館(正式には、スティーブン・F・ウドヴァーヘイジ・センター;6500万ドルをこのために寄付したハンガリー人投資家の名前)へ出かけた。新しい所なので地元民の彼も初めて、「孫と来るためにスポンサーになるよ」とメンバー登録をしていた。
建物は巨大な格納庫、コンコルド、スペースシャトルなどもある中に、あのエノラ・ゲイがほぼ中央に完全な姿で展示されていた(左)。
(次回;空軍博物館)
(写真はクリックすると拡大します)
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