2024年6月23日日曜日

五島列島観光(Five islands Archipelago in Nagasaki)-7

 

7.福江島観光(Sightseeing of Fukue-jima)-2


珍しい昼食“豚まぶし”を食べた後、レストランを1250分出発、午後の観光がスタートする。ルートは島の西側を走る国道384号線。バスは本土のどこにでもあるような景観の中を北上する。やや異なるのは山を覆う緑である。あまり直立した高木はなく、全体がもこもこした感じがする。植生が違うことは分かるが、生物がまったく苦手な私には木々の名前はさっぱり思い浮かばない。退屈な風景に食後の満腹感もあり睡魔が襲ってくる。せっかく遠方まで出向いて寝てはならじ、と地図とコンパスで現在地確認作業でそれと戦う。


1330分、最初の下車地高浜公園(海水浴場)に到着。広大な白い砂浜が広がる景勝地だ。駐車場・トイレ・休憩所が林の中に散在するが、今はオフシーズン、“わ”(レンタカー)ナンバーのクルマが数台駐車しているが、人影は見えない。


ここで20分ほど過ごした後向かったのは島の北部に在る水ノ浦教会。白亜の清楚な建物とそれを囲むように傾斜地に広がる信徒の墓地。墓石は他のキリスト教徒墓地も同じだが和洋折衷方式、日本式の墓石の天辺に十字架が置かれている。横浜の外人墓地とはかなり趣を異にする。


次の訪問地も教会。進路は東に転じており福江の街に近づいているのであろう、City Mallつばき屋の名を掲げたショッピングセンターが道沿いに現れたりする。しかし、ガイドによれば島の西部は昭和30年代には成長が止まり、40年代から福江市街や島外への移住が進んでいるとのこと。


1510分島の東北端に近い堂崎天主堂(英語ではChurch、プロテスタントでは“教会”が一般的だがカトリックでは“天主堂”と称する所がある)に到着。島の布教の最重点教会、神学校の教室が民俗資料館に転じているのだがツアーコースで見学する機会はなかった。ここを発ったのは1550分、福江の街中を通りホテルにもどる。福江城址や武家屋敷跡が垣間見られ、キリスト教徒が潜伏せざるを得なかった、この島の正史の一端を初めて目にした。


部屋へ戻ると雨が降り出した。温泉、レストランどこへ行くにも傘が必要、フロントの担当者がわざわざ部屋までそれを届けてくれた。


 

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2024年6月22日土曜日

五島列島観光(Five islands Archipelago in Nagasaki)-6

 

6.福江島観光(Sightseeing of Fukue-jima)-1


五島列島の人口は約54千人、その内34千人が福江島(五島市)の住民。九州との船便は他の島からもあるが、空路はここのみ。五島列島の言わば長兄格だ。今日(66日)は一日かけてこの島を観光する。天候は薄曇り、9時前にロビー棟前に集合すると、五島自動車の中型観光バスが待っており、入口に座席配置が示されている。一人組は二人分の席を利用できるのでゆったりできる。バスガイドは76歳のKWGさんという高齢男性、若い頃は東京・大阪で働き、郷里に戻り地域起こしを兼ねての仕事らしい。


先ず訪れたのはこの島の起源ともなる鬼岳(休火山)の展望台、ここからは福江市街、福江港、空港、南方向に点在する島々が遠望できる。鬼岳はほとんど樹木が無く、ちょっと伊豆の大室山を仰ぎ見ているようだ。


次の見所はこの山の下にある鐙瀬(あぶんぜ)溶岩海岸。鬼岳から流れ出した溶岩が海水で冷やされて出来上がったごつごつした海岸だ。


ここを10時に発ってバスは西に向かう。道は海岸線を離れているので景観は本土の地方を走るのと全く変わらない。結構大きな島であることを実感する。


11時井持浦教会ルルドに到着。これから何度も見て廻る潜伏(隠れ;私は“隠れ”と教えられたが、何故かガイドブックには“潜伏”とあるしガイドも同様それを使う)キリシタン教会の一つである。ルルドというのはフランスの地名で、ここから霊水を取り寄せたことに由来する。


午前中最後の観光スポットは島の南西端に細長く延びた大瀬﨑灯台、断崖の先端にあるここは五島列島観光案内名所中の名所、写真を見た時は南紀白浜の三段壁や越前の東尋坊を連想したが、晴天だったこともあり、東支那海に突き出る迫力は数段上回る。


ここから来た道をしばらく戻り外見はあまりぱっとしないドライブイン風のレストラン「ニューパンドラ」で昼食となった。食したのは「五島豚まぶし膳」、関西の鰻まぶしを豚に代えたもので、蒸豚ご飯と言ったところだが、茶碗によそい薬味(わさび、もみじおろし、大根おろし)をそれに載せ、そこにお茶を注いでいただくのだが、これは初体験で味も絶品、大いに満足した。

 

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2024年6月19日水曜日

五島列島観光(Five islands Archipelago in Nagasaki)-5

 

5.コンカナ王国(Con-Kana Kingdom Hotel




今回の参加者数は22名、ホテル送迎用のマイクロバスは補助席を含めほぼ満席。10分足らずで到着したが、ホテル敷地内へ入るところに「Con-Kana Kingdom」と書かれた看板を目にした。旅行案内プログラムで宿泊先として「コンカナ王国」とあり、「ここは何なんだろう?」と調べてみると、コッテージ中心のリゾートホテルであることがわかった。それにしても「コンカナとは?」、これは不明のままだった。そこへ「Con-Kana」ときたので、ハワイ語?スペイン語?ますます分からなくなってきた。翌朝フロントでその由来を問うと、「『来んかな~』はこちらの方言で『こちらへいらっしゃい』」の意とのこと、謎が解け納得。


参加者22名の内訳は、一人参加4名(男・女各2)、3人グループ二組、残り12人は夫婦と思しきメンバー。これをどんな基準で分けたか不明だが、一人参加はフロント・ロビー棟に近い2棟から成るメルヘン棟に割り付けられた。私の部屋313号室は緑と白の2階建て、その2階の端である。部屋は簡素な造りのツインベッドルーム。二つのシングルベッド、ソファーとテーブル、収納部、ユニットバス(洗面、トイレ付き)から成り、窓からは広々した緑の芝生庭が見渡せ、その先にレストラン棟が望める。三陸旅行ではホテルと名乗りながら和室で、起居に苦痛を感じただけに、希望の洋室であったことに先ずホッとする(このホテルには和洋室もある)。


福江島は火山(鬼岳)でできた島、当然温泉が備わり、特に露天風呂はなかなか快適な造り・大きさ、混み合うこともなく朝晩楽しんだ。


夕食は和食。島ゆえに魚料理メインだが、二晩とも牛・豚料理もあり、とにかく数と量で圧倒された。年寄りにはもう少し数と量を減らし質を高めてほしい。また和食は醤油・味噌・砂糖で味付けるものが多く、二晩どれもこれも同じようなものを食した印象しか残っていない。おまけに刺身は2種、小片が4切れ、海の幸を期待したが、ここでそれは叶わなかった。名物の箱フグはオフシーズン、それなのにメニューにあるので驚いたが(冷凍物か?)、ウマヅラハギとのみそ焼き、味噌の味しかしなかった。


朝食は和洋のビュッフェスタイル、三陸に比べれば洋もまずまずだったが、主力は和、肉類はベーコンとウィンナソーセージ、卵料理はスクランブルエッグのみ。というようなわけで食に関しては格別な印象はないが、部屋と温泉に関しては満足できる所だった。

 

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2024年6月17日月曜日

五島列島観光(Five islands Archipelago in Nagasaki)-4

 

4.福江島へ(Flight to Fukue-jima island


今度のツアーは羽田発着、自宅最寄り駅から一本で行けるから便利だ。しかし、飛行機の旅の最後は2018年のドイツ旅行、これは成田発着だったから、羽田からは10年近くなかったはずだ。記憶にあるのはJALANAが同じビル内を左右に分けていた時代。集合時間は1330ANA出発フロアーの時計台⑥とあったので、早目に出かけ昼食も空港で済ませ、この時間に合わせることにした。13時過ぎ時計台に行くと既に旅行社(クラブツーリズム)のツアーコンダクターOKZさんがそこに居り、三々五々集まる参加者に搭乗券を渡し、搭乗までの手順を説明してくれていた。セキュリティチェックは機内持ち込みのリックとカバンをかごに入れるだけ、身に着けている所持品を別容器に入れる必要が無く極めてスムーズ、最新のシステムに感心させられた。


ANA257便は定刻の1420分丁度にゲートを離れた。機種はボーイング-787、これは初めての経験、座席は31H、右側の通路寄り主翼付け根のすぐ後ろ、フラップの見える位置、離着陸時はその動きをつぶさに観察できる。満席ではなく7割程度の乗客数で窓側席との間は空席なので落ち着ける。極めて残念なのは、座席前の液晶パネルがないばかりか、大型スクリーンに飛行経路を示すサービスもない。前のポケットにルートマップでもと探したが、安全のしおりだけだった。最近の国内便は皆こんなものなんだろうか?


天候は晴天で穏やか、水平飛行に移ると下方にときどき雲が横たわるものの、窓側ならば下の様子も見えるようだ。飛行中の飲食サービスは飲み物ののみ、機は順調に飛行し、1605分福岡空港着陸、ゲート到着は予定時刻の1610分。これほど正確な飛行は経験したことがない。さすが!の感だ。


福岡空港では周辺島嶼・近距離便専用のターミナルに移動。しばらくここで過ごした後、バスで搭乗機まで運ばれる。今度の便は17時発のANA4697便、これはORC(オリエンタル・エアブリッジ;起源は長崎航空)との共同運用、機体はDHC(デ・ハビランド・カナダ)8Q400というターボプロップ双発高翼機、座席は13Dでエンジン下に納められる主脚が真横になる窓側だ。1700分が定刻だが10分遅れで離陸、福岡県西部を経て海上へ、15分くらい経て西日に浮かび上がる島々が見えてくるともう降下に入り1740分福江空港にタッチダウンした。出発していく同型機はORCのロゴがくっきり、長崎空港へでも向かうのだろうか?

 

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2024年6月15日土曜日

五島列島観光(Five islands Archipelago in Nagasaki)-3

 

3.準備の楽しみ(Doing prep for the trip

私の旅の楽しみ方は旅行前・旅行中・旅行後の三段階から成る。


その第一段階は計画検討と準備だ。クルマ旅では、訪れる見所、ルート・所要時間、宿泊先、スケジュール、休憩・給油場所、名物・お土産候補、おおよその予算など。これらを地図、ガイドブック、NAVITIME、グーグルマップ・グーグルアース、ユーチューブの難路走行動画、給油所情報、楽ナビ等のホテル・旅館情報を基に検討、予約を入れ、旅程表を完成させる。時には数週間かかることさえあるが、これが旅行中(第二段階)に匹敵するほど面白い。しかし、ツアー参加ではほとんどがお仕着せ、楽しみは半減以下となってしまう。しかも簡単な旅程表が送られてくるのは出発一週間前、せいぜい乗物と宿泊先の設備、アメニティや評価をチェックするくらいしかできない。


次は国内旅行用チェックリスト確認・記入がある。ガイドブックや地図は無論、現金、常用薬や着替え、携帯電話やカメラとその充電器、雨具や防寒着など、状況に応じて前日までに記入し用意する。


ここで欠かせないのが現地の詳細地図と磁石である。クルマ旅ではカーナビもあり磁石は不要だが、地図は必携、海外旅行の場合は丸善まで出かけ道路マップを入手することもある。今回五島列島だけの地図を探したが見つからず(皆長崎県のものだった)、これは現地で観光バス会社が提供するものを利用する結果となった。地図と磁石それに時計を組み合わせて、リアルタイムで現在地や進行方向を知るのは乗り物好きのひそかな楽しみである。


第三段階の楽しみ(主にブログ記事作成)のためのメモ帳も常に身近に保持し、あれこれ気づいたことを書き留めておく。本ブログはその成果とも言える。

 

 

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2024年6月13日木曜日

五島列島観光(Five islands Archipelago in Nagasaki)-2

 

2.どこへ?(Quo Vadis?

2007年来13年にわたり宗谷岬から指宿まで、沖縄を除く全都道府県をクルマで旅した。旅行社が送ってくる国内旅行案内に掲載されるプログラムはほとんど訪れているし、特殊な条件(乗物、催し物など)を除けば魅力を感じない。それでも旅に出たい。どこへ行くか?


昨秋初めて国内ツアーに参加した。訪問地は三陸海岸、2020年のクルマ旅はここにしようと考えていたところ、硬膜下血腫発症とコロナ禍で運転免許証を返納した結果である。三陸への関心ははっきりしていた。東日本大震災からの復興状況、三陸鉄道乗車それにリアス海岸観光である。ツアーの内容には多々不満もあったが、これらの目的は一応叶えられた。

次はどこへ?ツアーを一旦おいて、個人旅行を検討したのが青函トンネルを通る旅である。ただ通過するだけでは暗闇だけ。青森から津軽線で三厩(みんまや)に出て、そこからバスかタクシーで龍飛岬に至り、青函トンネル記念館を見て、北海道新幹線本州最北端駅奥津軽いまべつ駅から乗車して木古内駅経由で函館へ向かう案である。しかし、この案は津軽線が数年前の台風で全通しておらず、タクシーは予約制、龍飛岬までのバスも町営で制約の多いことなどあり、あきらめざるを得なかった。

一転して考え出したのがクルマ旅では対象にならなかった島旅である。大きな島で出かけたことがあるのは、佐渡島(中学生)、淡路島(和歌山工場勤務時)、伊豆大島(川崎工場勤務時)、それにしまなみ海道を走った際立ち寄った大三島(今治市)だけ。しかし、一つの島を訪ねるだけなら個人旅行も可能だが島内移動にクルマは不可欠、免許証の無い私にレンタカー利用は不可、路線バス利用かタクシーをチャーターするしか選択肢がないが、いずれも時間やコストに問題がある。ツアーで適当なものはないか。利尻・礼文、佐渡島、隠岐、直島、対馬・壱岐それに五島列島が案内誌に載っていた。三陸旅行のように特別な選択基準は無かったが、島なら海、海なら南、それに3泊(ツアーの多くは2泊)で五島列島に決し、一人参加可で最も早い催行日を選びスケジュールも固まった。

 

五島列島ツアー旅程

○日程;

65日(水);集合(1330) 羽田空港(1420発)ANA257→福岡空港(1610着)→福岡空港(1700発)ANA4697→五島福江空港(1745着)

五島コンカナ王国(ホテル、鬼岳温泉)泊;0959721348

66日(木);福江島内観光;ホテル→鬼岳展望所→鎧瀬(あぶんせ)溶岩海岸→井持浦教会→大瀬﨑断崖展望台→昼食→高浜ビーチ→水ノ浦教会→堂崎天主堂→ホテル

五島コンカナ王国泊;0959721348 

67日(金);福江港(920発)→ジェットフォイル→奈良尾港(950着)→中通島観光;奈良尾神社→矢堅目公園→矢堅目の駅(製塩工場)→青砂ヶ浦天主堂→昼食→祈りの龍馬像→頭が島天主堂・キリシタン墓地→民宿えび屋(若松島)

民宿えび屋泊;0959463120

68日(土);中通島・若松島観光;若松大橋→桐教会→中ノ浦教会→昼食→海童神社→五島うどんの里→有川港(1420発)→高速船→長崎港(1603着)→長崎空港(1935発)ANA670→羽田空港(2115着) 解散

 

 

  

2024年6月11日火曜日

五島列島観光(Five islands Archipelago in Nagasaki)-1

 

1.五島列島へ

久し振りに旅に出た。とは言ってもひとり旅には少々面倒な土地、ツアー参加である。訪れたのは長崎県五島列島、無人島を含め152の島から成るのが、訪れたのは福江島、中通島とそれに橋でつながる若松島・頭が島の4島。この内五島に含まれるのは福江島・中通島・若松島の3島のみ、残りは、福江島と中通島の間に在る奈留島と久賀島で5島となるのだがこの2島はジェットフォイル艇で横を通過しただけ。700以上島が在る瀬戸内海にはおよばないものの、周辺に大きな島(本州、四国)が無いだけに、むしろ島々の存在が際立つ景観は独特のものだ。65日から8日にかけての34日の旅を、ブログに綴っていきたい。








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