こんなこともあり当日は8時前にホテルを出発、見物する場所もファーム富田だけとし、あとは“花人街道”に期待し、車窓から楽しむことで済まそうと考えていた。そこでファームからの第一目標はその街道の北の中心、美瑛にセットした。しかし起伏する道の両側に田園風景が垣間見える程度で愛称の“花人”とは程遠い。一ヶ所“かんのファーム”が現れたとき、家人が「こんな風景が続くと思ったのに」とつぶやいた所が、唯一それらしき場所だった。
美瑛駅の周辺には観光客が集まっていたものの、237号線から入った道も広い道路と低層の建物で成る市街地。特に見所はなかった。先への心配から、ここで不本意ながら次の目的地、網走をカーナビにセットした。
美瑛駅の北で再び237号線に戻る。もう平坦な道で“花人街道”ではない。旭川の手前で県道に入り空港の北側を北東に進む。いく筋かの地方道や農道を経由し、愛別ICで旭川紋別自動車道に入る。この頃には幸い雨は上がっている。道は苫小牧から日高富川までと同様、対向2車線で無料。ほとんど前後に走る車はいない。カーナビの設定ルートでは大雪山を右に見ながら上川層雲峡ICまで走り、そこから一般道の39線へ出て北見経由で網走に至ることになっていた。
専用道を快調に飛ばしていると、カーナビが「新しいルートが見つかりました」と言ってくる。そこで“新ルート”にセットする。道路は空いておりどんどん進む。11時を過ぎてもなかなか休憩所も現れない。やっと着いたのが白滝PA。11時15分だった。昼食にはやや早いのでトイレ休憩だけとする。そこで道路案内を見てびっくり!途中層雲峡ICで降りる指示が出ず終点の紋別に向かっていることが分かった。“新ルート”はこのことだったのだ。仕方なく目的地を変更。網走を宿泊地として選んだのは、第一にオホーツク海を見たかったからだ。それでサロマ湖畔の道の駅を目指すことにした。ここまで行けば海を見ながら長時間走れる。
白滝ICで専用道と離れ、国道333号線を走るがここも空いている。やがて242号線に入り1時半目的地の到着。道の駅“サロマ湖”で昼食のホタテうどんを食し、この周辺の観光スポットを問うが、「展望台しか湖を見渡せるところはない」と言う。駐車場から徒歩でかなり時間がかかりそうだ。「湖の近くで駐車場のあるところは?」と聞いてそこまで走り湖畔に下りてみたが、大きくのっぺりした湖面が広がるだけで、目を楽しませてくれるものは何も無い。稚内からオホーツク海沿いに網走に至る238号線を曇天の中ひた走る。真冬でもない限りこの地方を特徴付けるものは結局何も無かった。ただ時間は計画時疑問を感じたように、9時間もかかるようなことは無く、網走に3時頃には着けそうだ。それならばあそこに行こう!
(次回予定;網走監獄)
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