1.ルート全容
恒例の長距離ドライブを何処にするか?昨年の道東疾走から帰ると直ぐに次が気になりだした。秋に能登を周る案をぼんやり考えていたが、諸般の事情で取りやめにした。来春なら何処がいいだろう?晩秋、再び訪問地・ルート検討に入った。家人が「吉野山の桜は?」と珍しく具体的な提案をしてきた。
紀伊半島ドライブは2009年5月にも実施し、同年6月から12月まで長期連載した「センチメンタル・ロング・ドライブ」に道中記を書いた。この時は伊勢志摩から新宮まで海岸沿いを走り、新宮から熊野川を上って本宮に至り、熊野古道(中辺路)で白浜に出た。その連載に数々の思い出を書いたように、紀伊半島は若い頃随分走っている。しかし吉野はポコッと抜けていた。あの当時、草花にはほとんど興味が無かったからだろう。水泳仲間の一人が4月に吉野を訪れ、全山を覆う桜に感動した話を聞かされていたこともあり、ここが候補地として急浮上した。そこまで行けば和歌山市在住の息子夫婦を訪ねるのは必然。吉野から和歌山なら吉野川(下流は紀ノ川)を下れば3時間足らずで着いてしまう。これだけでは面白くない。山深い半島の山岳路を走ることを組み合わせよう。骨格はこうして出来上がった。
吉野の後は直ぐ西に位置する高野山へ行こう。そこから十津街道を下り、龍神を経て田辺か御坊へ出る。昔新宮から高野へ上った秘境ドライブが蘇る。しかし、このルートは昨年春の豪雨で未だ通行不能個所が在ることが分かりギブアップ。代案として高野山から龍神に直結する高野龍神スカイラインをとることにした。ここも半世紀近く前、南部(みなべ)から入り龍神を経て林道や山岳道で高野山まで走ったことがある。それが今や“スカイライン”に変じているのである。
龍神は半島中央部に在り、交通の便は至極悪い。しかし、海岸部から高野山に至る途上に位置することや温泉地として紀州徳川家が重用したことなどで、いくつかの街道がここを経るようになっていた。現在バスも通う主要ルートは2本、一つは御坊への道、もう一つは南部をへて田辺に至る。そこからは、いずれも南紀の海岸沿いルートで和歌山市に向かう、通い慣れた道だ。
最終日はチョッと思案した。2009年は宿泊地近くの和歌山ICから阪和道に入り、阪神高速を経て西名阪・名阪・東名阪とつなぎ、東名に入って自宅近くの横々道路出口まで自動車専用道路で一気に帰った。時間的にはこれが最も早いし、道も分かりやすい。しかし、ひたすら運転に専念するだけで味も素っ気も無い。今度は一般道を多用し、紀北や伊勢北部の景観や生活を窺うことを選ぶことにした。ルートは紀ノ川(吉野川)を東進、大和盆地を少し北上して橿原辺りで国道165号線(初瀬街道)に乗り松阪方面へ向かう。あとは伊勢道を走って亀山ICで東名阪に入る。一般道路を走る分時間はかかるが、前回8時和歌山出発で16時には自宅に着いてしまい、夕食に家人を煩わせることになった轍は避けることができる。
観光目的地は紀伊半島。ここへ取っ付くまではただの“移動”に過ぎない。自宅と半島基部(今回は亀山)の間は自動車専用道路で時間と手間を省きたい。横々・保土ヶ谷バイパス(BP)・東名・伊勢湾岸・東名阪は定番コースである。
総走行距離はおよそ1300km。これは前回とほぼ同じである。あとは宿泊地・観光スポットを詰めることで調整することにした(マップに示したルートは実際の走行ルート;天候等で変更)。
(写真はクリックすると拡大します)
(次回;日程と宿泊地選定)
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