2010年8月28日土曜日

奥の細道ドライブ紀行-11(蔵王)

 蔵王には過去二度出かけている。しかしそれは40数年前、いずれも春スキー行である。幸い二度とも天気に恵まれ、モンスターのような樹氷を堪能しながら滑った。もうあれだけの長いスロープを一気に滑り降りる自信は無い。だが車なら・・・。
 私のドライブの最大の楽しみは、山岳地帯のワインディング・ロード長距離走行にある。今度のドライブ行を計画する時、あの想い出の地を是非走ってみたいと思った。そのために、タイトターンで走行安定性の良い、車体中央にエンジンを収めた車(ミッドシップ)を選んだのだから。
 山形バイパスを過ぎると間もなく、蔵王エコーラインにつながる県道12号線(山形県・宮城県共通ナンバー)にとりついた。道は直ぐに上りになり、遥か西下方に上山(かみのやま)の町が見え隠れする。南西からの日差しが眩しいくらいだ。これなら例年連休にオープンする山道でも天候・道路に問題はないだろう。前後には全く車は見えない。反対車線にもほとんど行き交う車は無い。スキーゲレンデが多数ある蔵王温泉への分岐路付近では、きついブラインドターンの道が続くが、道幅があるので高速ターンでも不安は無い。車はハンドル操作通りの軌跡を辿ってくれる。チョッと気になり出したのは燃費である。この道の最高部は1800m。それへ向かっての上りは予想外にガソリンを食うようだ。先ほど満タンにしたので直ぐにどうと言うことはないのだが、自宅まで無給油で帰り着けるかどうか。白石ICで高速に乗ると、自宅近くまで一般道は走らない。この間の自動車道路には一軒もエッソ・モービル・ゼネラルのスタンドが無いのだ。しかし、上りがあれば下りもあるので、そこで取り返せると楽観的に考えることにする(実際その通りになった)。
 ワインディング・ロードのハンドル操作を楽しみながら約1時間、曇り空に変じた空の下に、やがてあのモンスターを作る針葉樹林帯が出現、苅田岳山頂近くに達した。ここら辺は山形・宮城の県境部、さすがに雪が残り、道路は乾いているがところによっては2メータ位の壁がある。駐車スペースには数台の車が停まっている。遅い春スキーを楽しんでいるらしい。下りも遠苅田(とおがった)までは小刻みにターンの続く道。苅田岳までは仙台からのドライブ圏のようで、車もやや多くなり前後に連なって走る場面も増えてくる。再び好天に戻った山くだりは、高い木が無いので遥か前方に広がる景観が素晴らしいのだが、片時も道路から目が離せないのは残念至極。しかし、期待通りの山岳ドライブを約2時間堪能した。
 国道4号線を経て、東北道白石ICに入ったのは3時少し前。一旦300km台に落ちていた次回給油距離は400km台に回復。あとは安全運転あるのみである。とは言っても高性能車での自動車専用道走行、追い越し車線が空いていると、ついスピードを上げたくなる。しかし、注意していると、宮城県、福島県はスピード監視カメラが多いようだ。旅を終えてもしばらくの間、どこかで引っかかっていないか気になる日々を過ごしたが、幸い何も送られてくることは無かった。
 国見SAで休憩したのち、自宅近くの湾岸出口、杉田到着は午後8時15分頃、山寺を出て約8時間、天童BP給油所からの距離は514km、翌日の給油量は42.7Lだから、燃費は12km/Lとなる。これはエコーラインの山岳走行を考慮すると、極めて優れた数値である。監視カメラをかわしながらの走りが、この好燃費を実現したのだろうか?
 全行程の総走行距離は1530km(総給油量;136.3L、平均燃費;11.23km/L)、三泊四日で奥の細道を駆け抜けた旅はこうして終わった。
(奥の細道ドライブ紀行
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