2011年1月22日土曜日

写真紀行-冬の京都を巡る-(2);産寧坂から高台寺へ

 京都は、学会・リクルートやビジネスでは比較的よく訪ねている町だ。しかし“観光”と言うことになると、極めて限られた思い出しかない。初めての京都は中学の修学旅行。次は高校の修学旅行である。社会人になってからは和歌山工場時代にドライブで一度、大学の研究室仲間が大阪赴任中比叡山から滋賀県の坂本へ抜けた旅、それに小学生だった息子と梅小路の機関車館を訪れたことくらいである。清水寺、知恩院、金閣寺は京都旅行の定番、観光バスや車を利用して何度か見学し、点としての記憶はよく残っている。それから半世紀以上経た今回の違いは、線と面で京を眺めるところにある。つまり、老体には堪える徒歩観光なのだ!
 清水坂を少し西へ下り、七味屋の角を北へ折れる。そこから始まるのが産寧(さんねい)坂、最初は石段である。スケッチを好くするSZKさんが「この途中から見える五重塔は絵になるんだよね」と言いながら西を向く。残念ながら西日が強く写真にはならない。二年坂へ続くこの一帯は景観保存地区に指定されており、建物にはいろいろ規制があるようだが、現在は左右に土産物屋や茶店などが軒を連ねている。MRNさんが「シーズンはごった返していますよ」と言いながら盛時を解説してくれる。
 二年坂の突き当たりはもう高台寺の境内、ここは秀吉の正室、ねね(北政所)が秀吉の冥福を祈るために建立した寺である。写真の階段と手すりが写っているのが重要文化財の霊屋(おたまや)である。庭も竜安寺のように小石を掃いてきれいに作られている。
 ここを出てさらに北へ進む道が“ねねの道”で、円山公園に至る。公園の一角に坂本竜馬と中岡慎太郎の銅像があった。街中に幕末を残すものはほとんどないので、彼らにとって、良い落ち着き場所なのかもしれない。
 MRNさんが「知恩院への正面の道は階段がきつから」と裏道をとって先ず国宝の大鐘楼に行く。ここも幸い人が少なく、ゆっくり記念撮影ができる。そこから下ると御影堂。確かにこのルートは楽だ。
 このあと八坂神社などへよるグループと別れ、SZKさんと私は一旦駅近くのホテルへ戻り、6時から八坂の京懐石の料亭「坂の上」でひらかれた全員集合の夕食会に出た。ここはSKIさんのご縁で地元の方に紹介してもらったが、場所と言い料理と言い京都を堪能させてくれるものだった。
 ほろ酔い気分で店を出て、四条通りからえびす神社に向かう。ここは十日えびすなので今日(十一日)は“あと”えびすだが屋台と人出が凄い。だいたい東京の酉の市と同じ趣だが、境内に控えている(福笹を手渡す)のは巫女さんではなく、舞妓さん!さすが京都!
(次回;桂離宮)

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