2012年11月12日月曜日

逆賊三藩山岳ドライブ (9)



-磐梯・吾妻・奥只見を走る-

7.霧雨の峠を越えて
前夜早く寝たので、目覚めは早い。温泉宿での朝一番の楽しみは朝風呂に尽きる。昨夜は、既に外は暗く風呂場内の照明の反射で景色がどんなかまるで見当がつかなかったが、長い長方形の湯船はL字型にガラス張りで、前は樹木が上に連なり、下は渓流。なかなかの景観である。しかし、天気予報通り雨が降っている。雲は濃淡があり、流れも速いから早い回復も期待できるかもしれない。
7時の朝食を大広間で済ませ、玄関に出てみると、早や発ちの泊り客が雨の中へ出発していく。皆山歩きの装束だが、米沢駅への送迎マイクロバスに乗り込むところを見ると、ここから山へ入るわけではなさそうだ。
空模様を見ながら傘もいらぬほど小雨になった9時前に帳場でチェックアウトする。その際「王将戦はどこの部屋で行われたんですか?出来たらチョッと見せてください」と言ったところ「お客様がお泊りの部屋です」との答え。確かに二の間作りで広いほうの部屋は書院造り、出来たころは立派な部屋だったことは窺えるが、「今はチョッと・・・」である。帰宅して調べてみると王将戦は昭和36年(1961年)、半世紀以上も前のことだった!
9時出発。今日の走行距離は200km程度と短いので天候と道の状況が良ければ少し観光もしたい。雨は止んでいるので「これならもう一度あの素晴らしい紅葉を堪能できる」と、昨日来た西吾妻スカイヴァレーに向かった。しかし、しばらく緩やかな上りを進んでいくと、雲か霧が前を過ぎるようになる。偶に行き交う対向車はヘッドライトを灯している。前を行く車に追いつくと、先を譲ってくれたので、入れ替わって前を走り始め、少しスピードを上げて進んで行くと霧はますます濃くなり、周りの景色どころか前方すらほとんど見えなくなってくる。ついにこちらも対向車に認識できるようライトを点灯、道の端を確認しながら時速2030kmの低速運転を強いられるようになる。どこで白布峠を越えたのかさえ判然とせぬまま、山裾をぬうあのヘアーピンカーブに達し、ナビをメガネの端に捉えて先のカーブを確認しながら、エンジンブレーキと足ブレーキを併用して慎重に下る。こんな運転を40分近く続けてやっと桧原湖の北端にたどり着くことが出来た。
ここからは湖の西岸を走る県道64号線に入るのだが、昨日来た東岸(県2号線)とは違い、ペンション村のようなリゾ-ト地や集落がまるでない。それもあり道は狭く所々未舗装部分もある。対向車と行き違うには待避所でどちらかが待つことになる。幸い軽自動車と数回出合っただけで、何とか湖を見渡すことの出来る展望駐車場に出た。猪苗代方面からの車は大方ここで折り返すようだ。天気が良ければ湖水の向こうに磐梯山が見えるはずだが、今日は雲で覆われている。
この道を更に南下して、喜多方方面へ向かう国道459号線と交わるT字路を右に曲がった所に道の駅“裏磐梯”があった。曇天の10時観光客はほとんど居ないが、トイレ休憩とこれから先の情報を仕入れるために立寄ることにする。店の中にはお土産品がいっぱい。商品の回転も良さそうなので(賞味期限)、ここで求めることにする。買ったのは大豆を餡にした“ずんだ饅頭”。喜多方観光について聞けばここから30分の距離だという。山も湖畔も楽しむことは出来なかったので、事前にあまり詳しくは調べていなかったが、今日のメインエヴェントは喜多方巡りと急遽決める。ナビのセットを“喜多方蔵の里”にして10時過ぎ出発。
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(次回;喜多方)

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