2013年9月5日木曜日

美濃・若狭・丹波グランド・ツアー1500km-25(最終回)


20.グランド・ツーリング総括
たった34日のドライブ行を3ヶ月以上かけて書き連ねてきた報告もこれで終わる。
この間訪問地では数々の出来事があり、その都度、初めて訪れた土地々々が身近なものになってきた。8月半ばには、最初に泊まった郡上八幡で名物の郡上おどりが舞われ、「ア!あれは職人町の通りだ」と声を上げてしまう。7月下旬の福井地方の集中豪雨では越前大野がTVに登場「あの品のある町が大事にならぬよう」願うばかりであった。7月半ばには二泊目をした三方五湖の一つ水月湖がNHKで紹介される。2006年この湖の湖底の土が73メータ(7万年分)にわたり採取され、日英の学者による分析結果が、歴史の年縞の「標準時」に決まったのだ。厳密には縞状に堆積した土の中の放射性炭素(炭素14)の含有量を考古学や歴史学で年代推定の原器として使うのである。文中にも書いたように、あまり知られぬ湖だけに嬉しかった。
報告を読んだ閲覧者の皆さんからの訪問地に関する想い出コメントも楽しかった。神戸での癌の大手術のあと、しばらく城崎温泉で療養した友人は、コウノトリの想い出話を寄せてくれた。旅の楽しみの過半は計画作りにあると常々書いているが、このように後の楽しみも決し少なくない。
今回の旅では越前大野と城崎が特に印象深かった。越前大野は町全体が伝統保存と時代変化をほど良くバランスさせており、観光と日常生活が密着している感じが強く、「全ての日本の地方都市がこうだったらな~」と思わせるところがあった。
三泊目をした城崎温泉も自制の効いた良い町であった。とにかく温泉地にありがちな歓楽の雰囲気がないのが嬉しかった。だからと言って鄙びていたり、辛気臭いわけでもない。チョッと自宅からは遠いが今度は寒い時に鉄道で出かけてみたい。
食べ物は季節的にあまり適当な時期ではない。鮎は解禁になっていなかったし、蟹はシーズンが終わっていた。しかし、あまご、鯉、鮑などそれに代わる美味を味わえたのでそれほど不満はない。むしろサービスの仕方で差が出るのを密かに観察するのも楽しみのうちであった。その点で城崎温泉の西村屋本館はベストの評価が出来る。
さて、私の最大の関心は道である。今回山岳道路は郡上八幡から越前大野へ抜ける国道158号線(越前街道)のみ。美濃白鳥から旧道を走った部分は全くの独走、ヒルクライムの醍醐味を堪能した、つづく九頭竜湖に沿う道筋も、新緑が芽生え始め快適なドライブを楽しめた。このほかでは、短い距離だが三方五湖レインボーラインも明るい西日の中の運転と景観が期待通りで、変化のある二日目のドライブを好感触で締めくくることが出来た。
それに反し期待はずれは丹後半島周回で、部分的にはともかく、それほど面白い道ではなかった。特に、半島先端の経ヶ岬の先に小山があり、海を一望できない失望感は計り知れないほどだ。グーグルアースなどでもっとよく地形を調べるべきだったと反省しきりである。
城崎からの帰路640kmは現役時代も含め、外国を除けは(フェニックスからグランドキャニオン往復800kmを行った)、一日の最長走行距離であるが、城崎から40km位で自動車専用道に入れたので、道そのものの心配はなく、その点では苦労の少ないルートだった。さすがに疲労感は随所に及び、数日抜けなかった。この辺りが限界と悟った次第である。
総走行距離;1500km、総燃料消費量;132L、総合燃費;11.34km/Lであった。

長い間ご愛読いただき、有難うございました。

追記;家を出た日、しばらく後方でドーンと言う音がしていた(これより以前から出ていた)。しばらく走ると出なくなり、二日目以降は収まっていたが、帰宅後再発した。再現するタイミングが微妙なので、ポルシェにしばらく預けて調べてもらうことにした。分かったことは、エンジンへの空気取り込みダクトの固定部分にあった。ゴムのブッシュを挟んで車体に固定されているが、このゴムが経年劣化して、寒い時には硬く固まり、締め付け部が緩む。暖かかくなると柔らかさが戻るので、衝撃が起きない。ゴムブッシュの交換はせず、増し締めで現在はおとなしくなっている。

(写真はクリックすると拡大します)


-完-

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