2014年3月3日月曜日

フランス紀行 南仏・プロヴァンス・パリを巡る-(33)


20.パリ-9;ルーヴル-2
1階でミロのヴィーナスを見た後2階に上がる。ここには中世から近世のイタリア、フランスの大型絵画が多く展示されている。ガイドが時間をかけて説明してくれるのは「ナポレオン1世戴冠式」の絵、これは同じ作者の同じ構図のものがヴェルサイユ宮殿にもある。両者の間にいろいろ差異があるところが着眼点であり、解説のポイントも専らそこに集中するで。その後、いよいよこの美術館の象徴ともいえるダ・ヴィンチの「モナリザ」見学である。
今回のツアーに参加することが決まった後、ルーヴルの職員がストライキを打った新聞記事が載っていた。何とその理由は、館内特にこのモナリザの周辺の“スリの多さ”にあるという。ガイドの説明も先ずそこから始まった。確かに見物客の数の多さが違う、それもあって見学方法もここだけ違い、小さなその肖像画は専用の衝立壁に収まり、円形の手すりが先ずあり、さらにその前には黒いテープが張られて、直前までは接近できないようになっている。見物客はそのテープの後ろに並び、前へ出る順番を待つ。やっと最前列に出ると絵を見て写真を撮る。この間に油断が生じ、スリにとっては格好のチャンスがやってくるのだ。ポケット、ポーチ、バッグ、ナップザックから中身を失敬する。こんな具合らしい。とにかく鞄を確り前に持って、しばしあの謎めいた微笑みの絵を眺めたら手早く写真を撮り、脇へ移動して、今度は絵を食い入るように見つめている人たちを撮影した。これで美術(彫像・絵画)の見学は概ね終わる。残るのは別棟にあるナポレオン3世の居室、そこへは館内唯一の長いエスカレータを利用して向かう。ここを観るとツアーも終わり。半地下の大ホールで解散した。丁度お昼の時間、美術館のカフェテリアで、熱いコーヒーとホットドッグのランチにした。
さて、この美術館である。確かにヴィーナスやモナリザのように超有名は美術品が多数ある。しかし、ここはどうも落ち着いてそれらを鑑賞する美術館と言う感じがしない。とにかく人が多いこと、展示品の種類(絵画、彫刻から工芸品、宝石、グラフィックアート、インテリアまで)の多いこと、それらの時間・時代が長いこと(古代から19世紀まで)、制作・収集された地方(ヨーロッパ全域、中近東、北アフリカ)が広範なこと、部屋ごとに一応整理はされているものの、雑駁な感じは拭えない。私にとっては美術館と言うより博物館に近いイメージが強かった。ガイドに依れば「とても半日で廻れるようなところではありません。全部丁寧に観て歩くには1週間くらい必要です」とのこと。確かにその通りだろう。しかし、そんな美術鑑賞をしたい人と言うのは、どういうジャンルの専門家あるいは趣味の人なんだろう?そんな疑問を残しつつ、ここを出て次の観光先、ノートルダム寺院に向かうことにした。
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(次回;パリ;つづく)

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