2016年4月23日土曜日

九州遠征超長距離ドライブ(10)

  
8.天孫降臨の地へ
318日(金)門司は朝から雨だった。単独ドライブ行で今日が最もタフと予想されるだけに、いささか気分が重い旅立ちである。8時半過ぎにホテルを出立、自動車道の入口は昨日下りた門司港ICではなく一つ先の門司IC。道は片側1車線の一般道、港湾地区から上りが続く交通量の多い道だが、分かりやすく、直ぐに九州自動車道に入る。道路地図で見る限り、この道をひたすら大分光吉(みつよし)ICまで進みそこから、一般道に下りて豊後竹田を目指せば高千穂峡に達することが出来るはずである。雨の中とはいえ、専用道路を走るうえにナビの案内もある。大きな分岐点の北九州JCTで大分方面に向かう東九州自動車道に入ると「あとは楽勝!」の気分だった。
そんな気分が不安に転じたのは北九州JCT後に現れた行橋ICでの進行方向だった。ナビはここでICを下りるように指示してきた。「なんかおかしい?」と思い下りずに直進した。それまで片側2車線だった自動車道は対向2車線に変わり、進路が西に向かっている気がする。もうナビに道路は出てこない。「先ほどのナビの指示のように、九州道のメインの他に別の専用道路が最近開通したのかもしれない」そんな考えにとらわれてしまう。「次のICUターンし、一旦行橋まで戻ろう」そう決めるが、なかなが“次”が現れない。やっと今川ICに来たところで折り返す。ナビは行橋に近づくと息を吹く返し、IC出口から南下するメインルート、国道10号線に導いてくれる。道路標識に別府や大分が表示されるので方向は間違いない。ただいつまで経っても東九州道に出られないのがどうも解せない。30分近く10号線を走ったところで、やっと宇佐ICへの案内が出てきた。そこから難なく自動車道に戻ったが、始点ではなく合流点だった。直ぐにわかったことは“ナビの地図が古い”と言うことである。戻らずそのまま直進していればよかったのだ。
別府湾SAで一休み。戻り時間を含めると4050分近くロスしていることが分かる。大分光吉ICで下り、次の目的地豊後竹田へ向かう国道210線沿いに在るエッソわさだSSで予定通り給油。給油量は40.17ℓ、前回給油地からの走行距離は約450km、依然として燃費は11km/ℓを保っている。
ここからいよいよ山岳ドライブが始まる。片側2車線の国道210号線に分かれ国道442号線に入るとしばらくはセンターラインのある対向2車線を行くが、やがて、舗装はされているものの、対向車との行き違いには注意を要する狭い道幅の上りになり、ついに林道とさして違わない山道に変ずる。森林走行20分、何とか元に復するのは竹田駅に近づいてからである。竹田駅前でしばし休憩。ここは滝廉太郎が「荒城の月」を構想した城下町だけに、それなりの規模と街並みが窺える。もう時間は12時だが、この日前半の目的地、高千穂峡までたどり着きたいので、昼食は摂らず早々に出発する。
ここからが稀に見る難路であった。竹田の街を出ると北西に向かう国道442号線に別れを告げ、県道8号線を南西に向かう。道は大分・熊本・宮崎の県境を成す山岳地帯を走るが、この一帯は集落らしいところがほとんどない。従って交通量の少ないこともあり、一応舗装はしてあるものの仕上げやメンテナンスは最低、頻繁にカーブする狭い道にガードレールもミラーもない。雨は次第に激しくなるし、木々に覆われた道路はヘッドライトを点灯しなければ危険なほど暗い。こんな道を1時間近く走り、高千穂峡と天岩戸神社へもつながる国道325号線に出たときには、「死線を超えた」安堵感が短い時間だが去来した。高千穂峡到着は1時半。それにしてもこんな辺鄙な山奥に何故天孫降臨の地(高天原;諸説あるうちのひとつ)伝説があるのだろう?

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(次回;高千穂峡)

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