2016年4月15日金曜日

九州遠征超長距離ドライブ(6)

  
4.山陰への道
ホテルの朝食は7時からフロント脇の喫茶コーナーのような所に和洋食が用意され、セルフサービス方式になっている。前夜までにそれほど宿泊客を見かけなかったが、スーツ姿、作業服の小グループ、リタイヤ組と思しき夫婦、女性の一人旅?などが出入りし、結構客が入っていたことが分かる。
8時過ぎにチェックアウトし、駐車場に向かう。クルマが朝露に濡れ、朝日に光っている(と思った)。キャリーバッグをトランクに収めて、濡れたフロントグラスを雑巾で拭おうとして驚いた。水滴と思ったものは薄く張り付いた氷ではないか!岡山県では最北部、これから向かう鳥取県との境には蒜山(ひるぜん)、大山(だいせん)など関西の数少ないスキー場の在る山岳地帯に近いことをこれで知らされる。
エンジン始動、燃料推算計を見ると昨日給油後の走りが極めて効燃費だったことが分かる。次の燃料補給まで400km超走行可とあるので足立美術館の後松江道に取りつくまで確実に走れる。事前にチェエクしてあった津山の給油地点は津山ICのすぐ近くに在り、昨日降りた際にも確認してあったが、その必要は全くない。それどころか、次の予備候補地、米子のゼネラルもパスできそうだ。カーナビに足立美術館の電話番号をセットすると、中国道への取つきを除き、事前検討通り道筋を選んできた。つまり入口は津山ICではなく、次の院庄(いんのしょう)ICから乗るところだけ違うのだ。820分、晴天の中を山陰に向け出発した。
ICまでの道程は主に国道179号線、時に吉井川や姫新線と並行する4車線の走りやすい道だった。おそらく旧道とは別に設けられたバイパスだろう。両側には自動車販売店やコンビニ、ファミレスなどが現れ、どこでも見かける風景がしばらく続く。
院庄ICで中国道に入り10分くらい昨日同様空いた道をすすみ、落合JCTで米子道へ分け入る。この道は中国道以上にクルマが少ない。遥か先を行くライトバン、さらにその先に軽自動車。道はやや上り、大きく緩やかにカーブしているので、それぞれの間隔が確認できる。空は青く、周辺はなだらかな山なみでトンネルや橋を除けばほとんど人工物は見かけない。家を出てから初めて運転そのものを楽しむ時間がやってきた。トンネルの出入り口やカーブで“路面凍結注意”の警告が現れる。今朝の駐車場の出来事から、現実味がある。山容が少し険しくなってきたところで、右前方に抜きん出て高い山が見えてくる。山頂付近はまだ雪が残ってくる。大山にしては少し早いと思ったら、道路標識が蒜山高原SAに近いことを教えてくれる。SA到着910分。ここで小休止しドリップタイプの自動販売機の暖かいコーヒーを求め、ひんやりする空気の中で蒜山の山々を眺める。
一休みした後も車窓の景観はそれほど変化なかったが、突然蒜山より高く大きな大山が現れたときには「オッ!」言う気分になる。半世紀近く前鳥取からここを目指したのは5月連休の午後(ここで宿泊した)、新緑の頃で今回とはまるで異なる。真っ白な山容に感動一入。近くのPAで停めようかどうか迷ったが、10時までに足立美術館に到着するする計画を立てていたので走り過ぎることにした。そこから安来道への分岐点は10分足らず、今度は2車線対向の無料自動車専用道。米子道とは様変わり、トラックの多い車列が延々と続く。山陰地方の海岸沿いを走る主要国道の9号線でもあるのだ。安来ICで一般道へ下り、県道45号線を今度は南西に向かう。周囲は広々とした田畑。こんな所に世界的に有名な美術館が在ることなどとても考えられない場所である。しかし、道路沿いに時々“足立美術館”を示す標識が現れるのでナビとそれを信じて、ひたすら進む。30分ほど行った所で山間の平地左前方に大きな建物が見えてくる。どうやらそれが目的の美術館らしい。
県道を左折すると道案内に従って広大な駐車場に導かれる。大型バスが10台近く停まり、自家用車は5060台いるが、全体スペースの2割くらいしか埋まっていない。朝早いせいだろうか(到着時刻1010分、開館時刻9時)?全部で何台くらい収容可能なのだろうか?その時の見学者数は?先ず思ったことはこんなことである。

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(次回;足立美術館)

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