2016年6月4日土曜日

九州遠征超長距離ドライブ(21)

  
16.長崎-3
大浦天主堂と南山手地区を廻ったあと、海岸に向け坂を下り、海岸通りの一つ東側を通るオランダ通りを市街中心部に向かって北上するとオランダ坂に至る道に交差する。そこを東に右折ししばらくなだらかな登り坂を進むと左側に少し急なオランダ坂に分岐する。分岐点にはこの坂道が“活水女子大(ミッションスクール)”の敷地内であることを示す看板がある。後で知ったのだが、この学校は女学校として日本最古の由緒ある歴史をもつのだ。石畳の道の左には校舎があるが右側には洋館(東山手甲13番館)があり、この一帯が出島のあとに出来た外国人居留地であった名残をとどめる。
坂を上りつめるとそこは変形交差路になっており、右へ向かえば緩やかな下りの散策コース、地形は全体として東から西(散策コースの右側)に傾斜しており、道路の右側に薄緑色の外壁を持つ同じタイプの洋館が海をはるかに見渡すように規則正しく建っている。一瞬「建売住宅?」と思うような塩梅だが、一番外れまで行くとその棟だけは案内所+レストランのような使われ方をしており、ここが明治中期に開発された外国人向け賃貸住宅地で、現在は観光施設や展示棟として利用されていることが分かった。
その建物群を巡ったあとはさらに先ほどの坂を下りかつて中国人が住んでいた一帯に入る。チャイナタウンは現在はより中心部にある新地中華街に移っているので、ここでの唯一の見所は孔子廟、本来は学問の神様を祀るところだが、中国歴代博物館が併設されており、故宮博物館(北京)の保有美術工芸品などが展示されている。清国政府と在日華僑が協力して、明治26年(1893年)に建てたもので、日本で唯一の本格的な中国洋式の孔子廟とのことである。
オランダ通りのオランダ坂入口から時計方向に回って通りへ戻ったのは丁度昼時、今朝フロントで教えてもらったホテルモントレ―はすぐ目の前に在った。入口前にランチメニューが出ているのだが、扉もなくホテルの玄関と言うより中庭に抜ける回廊と言った感じである。「正面玄関は別の所だろうか?」 とにかくその回廊に踏み込んでみた。中庭に接する左にロービー・フロント、右側にレストランと言う配置、それぞれ入口は別になっている。レストランのドアーを入ると受付デスクの先に10ちょっとのテーブルが置かれた、天井の高いこじんまりして落ち着ける場所がそこにあり、幸い一つだけ空いていたテーブルに案内される。若いカップルもちらほら居るが客の多くは中年女性、カジュアルな我々に比べるとややフォーマルな服装の人が多い。ビジネスランチ?仲良しグループの集まり?どうも雰囲気では地元の人のようだ。
メニューにはランチセットが幾種類か記されているが、一番軽い(安い)ものにしたが、それでも前菜・パスタ・メイン・コーヒーとなかなか充実している。これを適度なタイミングで供してくれ、しかも味もなかなかのものであった。暑いほどの陽気の中を歩いたので、私はこれにグラス生ビールを加えたのだが、金額は二人で3500円をわずかに下回った。加えて精算の時に教えてくれた次の訪問先(平和公園)への丁寧な交通案内、品格のある空間、美味しい料理でこの値段、心のこもったサービス、満足度100点。このレストランと今朝のヴィクトリア・インのアドヴァイスに感謝しつつ、旧英国領事館(改修中)を経て平和公園に向かう路面電車1系統の築町(つきまち)に向かった。

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(次回;長崎;つづく)

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