2016年12月29日木曜日

台湾一周鉄道旅行-6


6.第一夜のディナー
今日は朝が早く、8時半の出発で現地到着は東京時間で12時時40分だから、どんな食事サービスがあるのか分からなかったので、空港でトーストとコーヒーの朝食を摂った。結局食事が出たのは到着1時間前の朝食、腹具合としては軽い昼食なので、博物院ではソフトドリンクだけで済ませた。そんなわけで部屋にチェックインして緊張感がとれると、急に空腹感が襲ってきた。時刻は5時近く、いつもの夕食時間には少し早いが、朝からの行動や慣れない土地であることを考慮すれば(予約の要否など)ボツボツ夕食に出かけてもいい。夕闇迫る台北駅を見下ろすと、傘をさしている人もちらほら。とにかくロビーに降りてフロントに相談することにする。
フロントの女性に「この辺りで台湾料理のカジュアルな店で良いところはないか?」と日本語で問うと、向かいにあるサービスデスクの担当者を呼んでくれた。若い男性で片言の日本語を話すその担当者が言うには「いくつかありますが今日は日曜日、外出する人が多く、予約で混んでいる可能性が高いです。待つつもりならば問い合わせてみます」との返事。先ず場所を聞くと、タクシーで出かけるのがお薦めとのこと。取り敢えず確認してもらうと案の定混んでおり「8時からなら」との返事。いろいろ当たってもらった結果19時までに終わるならOKとの店が見つかる。その店「青葉餐庁」はガイドブック“地球を歩く”にも載っており、場所もおよそ見当が付くのでMRTで出かけことを提案すると「雨が降り出してきたし、暗いのでタクシーのほうがいいです」とアドヴァイス。これは正解だった。MRTより高いが、そうしていたら簡単に店にたどり着けたかどうか、と言うような場所にあった。初めて乗ったタクシーも信頼でき、きちんとお釣りもくれた(料金は80元)。
店は48人用テーブルが10卓ほどと奥に半個室が一か所、この半個室の前の調理場に近い4人用一つだけが空いており、「7時まででいいですね」と念を押され案内される。台湾料理は前回の訪台時何度か食しているのだが、いつも現地の人が一緒だったから彼ら任せ、今回二人だけでアラカルトを選択する予備知識もなかったからセットメニュー(写真付き日本語メニューあり;つまり日本人観光客御用達の店;帰りがけにもらった名刺にはローマ字で“aoba”とある)で頼んだ。飲み物はビール、ジョッキの生はなく台湾啤酒ブランドの瓶ビールだけ、本来は紹興酒といきたいところだったが、一本開ける自信は全くないのでこれにした。先ず運ばれてきたのは卵と野菜のスープ、あとは炒め物、煮物、蒸し物などが続くが料理方法は中華と大差ないものの、食材は海産物(カニ、エビ、貝類)が多く、味付けも日本で食べる中華よりも淡白で、個人的には好みに合っていた。ボリュームは老人二人には少し多めだったので最後の炒飯は半分程度しか食べられなかった(ビールを2本飲んだせいもあるが)。これで料金2700元(1万円弱)は少々高い気がしないでもなかった(以後一度もこれほど夕食に払うことはなかった)。
帰りは雨が降っていたが、寄ってみたい所が在ったので、直ぐにタクシーを拾わず、ホテルで貸してくれた傘をさしてMRTの中山站に向かった。この駅と次の雙連站間の西側にMRTに並行して、下川裕治お薦めの“寧夏路夜市”が延びているのだ。中山站に着くと道行く人に“寧夏路”と紙片に書いたものを見せながらそこを目指したがなかなか目印となるロータリーに行き着けず、雨も本降りになってきたので、途中であきらめ中山站へ戻り、一駅乗って台北車站へ。今度は地下街で迷うこともなくホテルに9時前に帰り着いた。こうして台湾の一夜は終わった。

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(次回:新幹線と嘉義)

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