2017年1月25日水曜日

台湾一周鉄道旅行-12


10.高雄へ
台湾一周の中で阿里山森林鉄道往復はその途上から一旦離れるのだが、欠かせないルートだった。しかし高雄についてはどうすべきか随分思案した。と言うのも1994年訪台時ここに2泊したので、おおよそ町の感覚はつかんでおり(当然30年前と違っているが)、それほど観光地として魅力があるところとの印象は残っていなかった。また最新のガイドブックでも今一つ惹かれるものがなかったからである。そこでJTBに提示した旅行計画検討案の中で、敢えてここに1泊する意義があるか、いくつかのオプションを含めて問うた。一つは高雄に午前中に着いてバスで原住民居住地を訪問するケース、もう一つは高雄には宿泊せず、古い台湾が残ると言われている台東まで、高雄で在来線に乗り換えて行ってしまう案である。だが、このような個別検討はサービスの範疇ではなく、的確なアドヴァイスが得られぬまま、最終決定はこちらに戻されてしまった(JTB個人海外旅行サービスについては最終回近くで総括する予定である)。結局今や台北を上回る人口を持つ台湾第一の大都会を観るのも一興とここに1泊することにした。
1122日(火)早朝起きて外を見ると雨だった。TVでは福島でかなり大きな地震があったことを報じている。この日の朝だけは朝食をホテルで摂れる唯一の機会(帰国日を除き)。7時に8階のレストランへ向かうと席はかなり埋まっている。感じでは中国本土や台湾の団体客が多そうだが、日本人の小グループや欧米人も見かける。ビュッフェに用意されているのは、中華・和・洋3種ある。無難な洋食で済ませ、デザートの果物を取に行ったところ、中国人・台湾人と思しき人たちが見たこともない果実を何個も持っていく。小ぶりのミカンほどの大きさの外側は赤い色で厚い皮でできた丸いそれを二つに切り分け、中にはチョッと魚の眼に似た緑の芯が入った・小球状の透明のゼリーのようなものが沢山入っている。試みに二つほど席に持ち帰り味わってみると、酸味の爽やかな味わいだった。あとで調べてパッションフルーツであることを知った。こんなことも海外旅行の楽しみの一つだ。
天気は展望の効くレストランに居るうちに曇りに変じ、チェックアウトした8時頃にはその雲も薄くなって快方にあることをうかがわせ、タクシーで高鉄(新幹線)駅に向かう道筋は雨上がりの爽快ささえ感じられる。今日も天気は何とかなりそうだ。
914分嘉義発の列車は定刻通り出発、沿線の天候は薄日が差すほどで雨が降った形跡はない。途中台南に停車しただけで30分後には左営駅到着。さすがに新幹線のターミナル駅、真新しく広々した駅舎はなかなか立派なものだ。位置が在来線の高雄駅のかなり北にあり、そこへ行くには在来線かMRT(正確にはKRT;地下鉄)に乗換える必要がある。ホテルは高雄駅ではなく市街中心南部の三多商圏(ショッピングセンター)近くにあるので、そこへ直行できるMRT(紅線;レッドライン)で向かうことにする。方式は台北と同じだから何も困ることはない。
20分ほどで三多商圏駅到着、調べてあった出口3番を出ると、目の前にこれもインターネットで画像確認した、ガラス張りの高層ビルがそびえ立っている。ホテル(和逸・高雄中山館;Hotel Cozzi)のフロントはこのビルの最上階に近い30階、客室はそこから下へ専用エレベータで下りる方式である。チェックインタイムが14時なのは承知していたから、荷物を預け観光に関して案内を乞うた。ここもすべて日本語でOK。先ず勧められたのが史跡高雄英国領事館、そのあとは港湾地区を再開発した駁二(ばくに)藝術特区を訪れると良いと言う。

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(次回:高雄観光)

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