2018年11月7日水曜日

山陰ドライブ1800km-1



-因幡・伯耆・出雲を走る-

1.計画が固まるまで
昨年5月末のドライブで金沢(石川県)を訪ね、沖縄県を除く全都道府県走破が完了した。11月は裏磐梯方面に出かけたが、同じ小ホテルに2泊して今までの走り中心とは異なる旅を試み、近隣の五色沼散策や諸橋近代美術館を訪問して、ゆとりのある旅程を楽しんだ。ただこの時は前週に早い降雪があり、米沢への二つの峠道が閉ざされて、紅葉を愛でての山岳ドライブが叶わず、その点が悔やまれた。今年はどこへ出かけるか。東北、信州、北陸それに紀伊半島はかなり出かけているが、西日本へ出かけたのは四国と九州それぞれ一回だけ、これらの途上で鳥取・島根・山口も走ってはいるがほとんど通過したに過ぎない。山陰ドライブの可能性を探ることになった背景はこんなところにある。
私のこの方面でのドライブ歴は、一昨年3月九州遠征の際、米子道・山陰道と走り安来ICで降りて足立美術館に寄り、そこから松江道の三刀屋木次ICを経て中国道を西下したのが最新。しかし半世紀前和歌山工場時代に5月の連休を利用して、一度は1965年若狭湾から日本海沿いのコースを松江に取り内陸に向きを変え倉敷に至った。この時に鳥取砂丘、松江城、大山(だいせん)を観光している。二度目は、1969年四国を巡り松山から山口県の柳井にフェリーで渡り、秋芳洞・萩・出雲大社を訪れ、そのあと尾道へ出ている。当時この地方には自動車専用道は皆無、それどころか主要幹線である国道9号線ですら一部未舗装だった。半世紀の変化を走りで確かめてみたい。一方、同行する家人は義父の仕事の関係で幼少時岩国に居住したことがあるものの、中国地方の日本海側を観たことが無い。「あまりに遠い!」の感をもったようだが、好奇心はそれに勝り、何とか大枠で合意が成った。
運転大好き人間としてのドライブ旅行は道から計画を立てていく。今回必須としたのは大山環状道路に在る鍵掛峠。出来れば走りたいのが、本州西端長門地方の先の小島角島(つのしま)へ渡る角島大橋、境港と松江を結ぶ江島大橋、大山の南を走る蒜山(ひるぜん)スカイライン。自動車道路では、開通したばかりの新名神道(高槻JCT⇔神戸JCT)と未体験の鳥取道を走ってみたい。次いで観光地を選んでいく。Mustは、鳥取砂丘、大山、出雲大社、足立美術館、それに松江城を含む松江市内。Wantは、砂丘から松江に至るルート途上で倉吉と境港に立ち寄ること。角島まで行くのならば、石見銀山跡、津和野、萩も観たい。制約条件は所要日数、家人の希望は本州内の場合3泊。延泊も不可ではないのだが、もし本州西端まで行くと5泊になる。この場合往きはともかく帰りが問題だ。中国道→名神道→東名道と自動車道だけ走ってもどこかで1泊しなければならない。中間点は京阪神地区、この辺りでわざわざ泊まりたいような場所もない。結局角島大橋に未練は残ったが山口県は切り捨て、出雲大社を最遠点として3泊で細部を詰めることに決した。
走りを楽しむ道も観光の目玉も鳥取県と島根県東部。これだけならせいぜい400km程度だが、そこへ取り付き帰る距離が長い。帰りは自宅だから帰着時間に制約は無いが、往きは万一渋滞やクルマのトラブルがあると宿泊先に迷惑をかける可能性がある。夕食無しの方が万事好都合だ。一方で翌日の行動を考慮すると、出来るだけ観光地に近づいておきたい。ここから第一日目の宿泊地は鳥取市の中心部とした。次いで走りと観光が重なる大山地区で一泊する。帰路の長丁場を考えれば直ぐに自動車道に乗れるここを最終泊地にするのが適当だ。すると2泊目の選択肢は松江市内か玉造温泉。鳥取市内も温泉は出るが、シティホテルでそれを楽しむのは無理だ。大山も温泉は期待できない。玉造温泉と松江市内のいずれにするか随分迷ったが、市内観光を優先することにして沸かし湯の宍道湖温泉(市内)で我慢することにした。
私の場合、いつ実行するかとどこに泊まるかは連動する。今回の宿泊先タイプは、鳥取では繁華街に在るシティホテル(あるいはビジネスホテル)、松江市内の旅館(料理の評価の高い)、大山は小規模なリゾートホテル(景観と料理の評価が高い)とした。時期は10月末から11月半ばまで。これは、他のスケジュール(118日に先約あり)と紅葉 それに降雪の可能性を考えてである。桜や紅葉は時期を選ぶ。昨年の裏磐梯行きは11月初旬だったが少し遅かった。2015年の四国は11月中旬だが少し早かった。118日の先か後か?これが第一関門。次は宿泊先の空室状況や評価。この地方名物のカニの解禁日は117日。8日以降が良さそうだが、紅葉と雪に懸念がある。特に山岳路でもし雪に遭ったらと考え、8日以前実施を決めて宿泊先を当たっていった。こうして1031日出発“鳥取ワシントンホテル(朝食のみ)”泊、111日松江宍道湖畔の老舗旅館“皆美館(和食)”泊、112日大山山腹美保関まで眺望が開ける“オーベルジュ天空(洋食)”泊が決まった。
最後は観光地巡りの詳細と給油点である。一日目は自宅から鳥取駅近くまでひたすら走るだけ。二晩目の宿泊先は直行なら2時間少々の松江。当然この間に砂丘と境港(ここは水木しげるロードで孫たちのお土産を求めるのが目的)を挟むことは入れたが、それぞれの場所で1時間費やしたとしても時間はたっぷり余裕がある。求めたガイドブック「ことりっぷ鳥取」で大きく取り上げられているのは米子と倉吉。米子は境港の隣だから格別考慮する必要を感じない。倉吉はどんな所だろう?明治時代の土蔵と町屋の赤瓦が売り物らしい。ここで昼食を摂るのも一案だ。ホテルから砂丘までは15分程度、9時前にチェックアウトするとして、少しどこかで時間を潰してから砂丘に向かう方が砂も乾いていて良いのではないかい。そこで少し東側にある浦富海岸を廻ることにした。ホテル→浦富海岸→砂丘→白兎海岸→倉吉→境港→松江のコースである。トータルおよそ260km。ガソリンは鳥取市内にEsso Expressが在るのでそこで満タンにすれは、帰りの中国道まで持つはずだ。翌三日目の観光は、先ず松江城を中心に市内を観て出雲大社に向かい、そこから東に戻って足立美術館を見学、出来れば宿泊地近くの大山寺本堂もこの日の内に見ておきたい。コースは、松江→出雲大社→足立美術館→大山寺本堂→オーベルジュ天空となる。走行距離は約160km。最終日は、オーベルジュを出て直ぐ大山環状道路にとりつき鍵掛峠に向かい続いて蒜山スカイラインを走って米子道の蒜山ICで自動車専用道路に乗る。あとは延々我が家に向かう。その前に出来ればEssoMobil/ゼネラルのSSで給油したいが全くない。10月からコーポレ-トカードが使えるENEOSすら見つからない。仕方がないので米子道から中国道に入って直ぐの院庄ICを出たところにEssoが在るので、そこを使う計画にした。往路は自宅→鳥取が約660km、復路は大山→自宅で720km、自動車道の給油は往復ともさらに一ヶ所必要だが、新東名道の浜松SAが上下線ともENEOSなのでこれを利用することが出来る。こうして全計画が固まった。

写真は上から;ルートマップ、峠道の紹介記事が載っている“絶景ドライブ100選”、鳥取、島根のガイドブック。

(写真はクリックすると拡大します)

次回;鳥取までの道のり


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