2019年7月19日金曜日

道北ドライブ2000km-1



道北ドライブ2000km1
80yrs Memorial Run to The Northernmost

1.特別な年
1月に満80歳になった。引退後“終(つい)のクルマ”として2007年に求めたポルシェ・ボクスターは、干支のイノシシ年を迎え一巡した。愛車・父(故人)・息子・初孫(男)、皆イノシシ歳だ。そして平成が終わり、令和が始まった。そう、今年は極めて特別で、かつ猪突猛進(スピード違反でつかまらない程度の)に相応しい年なのだ。その記念すべき年のドライブ計画は昨秋山陰ドライブを終えた時点でから北海道と決めていた。あの東日本大震災の20117月復旧間もない大洗港から苫小牧港に向かい道央・道東を走った思いが忘れ難く、「本州、四国、九州では味わえない!」と各地を巡って益々その感を強め、「もう一度北海道を!」の念を持ち続けていたからだ。
いつ、どこを走るか?今回は傘寿記念走行、記憶に残る場所を目指したい。クルマで到達できる実効支配領土の東西南北端は最北端の宗谷岬のみ、前回は道東中心だったから立ち寄る機会は無かった。此処へ行こう!私のグランドツーリングは走りが第一優先、観光・見学は第二、宗谷岬に至る行程には日本を代表するドライブルート、オロロンライン(日本海側)とエサヌカ線(オホーツク海側)が在るが、両方走ってみたい。時計廻りか反時計廻りか?この選択の場合、海が少しでも近い時計回りを選ぶのが私の常道。となると日本海側を北上して稚内に至りオホーツク海側を南下する道筋になる。北海道への上陸・離陸地点はどうするか?前回は大洗(茨城)-苫小牧間をフェリーで往復した。これは到着時刻が1時過ぎになり、午後の時間があまり有効に使えない。青森やその先の大間(下北半島)から函館に渡る案あるいは八戸や秋田から苫小牧へ向かう航路はあるが、一日でそこまで到達するのはかなり強行軍だ。そこで見つけたのが仙台から苫小牧に渡る太平洋フェリーである。仙台出港は1940分、苫小牧着港は11時、これなら時間的に効率的だ。そして帰路は小樽港から新潟港に向かう新日本海フェリーが好ましい。小樽港出港17時、新潟港到着は9時だからだ。
さて、第一目的地と航路は決まった。では道内はどう廻るか?制約条件は道内4泊。走りの観点から積丹半島をぐるっと巡ってみたい。前回の道東ドライブで富良野・美瑛は訪れたものの立ち寄る余裕の無かった青い池に行ってみたい。また、温泉地に2回は泊まりたい。時計回りルートで温泉を探すとニセコ(積丹半島へのとっかかり)と白金温泉(青い池付近)が浮かび上がる。ニセコは苫小牧上陸と積丹半島巡りの観点から、白金温泉も翌日の小樽出港を考えると、ベストチョイスと考えた。これで4泊の内三ヵ所が決まった。ルートを苫小牧始点の時計回りとすると、ニセコから稚内の間に1泊する必要がある。どこにするか?オロロンラインは札幌の北隣石狩市から始まる。街道の南部分は都市部もありそれほど面白くないようだが、一直線に北上する道なので、寄り道せずに海岸道路を走る方が楽だ。ニセコ出発後の運転時間と距離を勘案すると、宿泊先の選択肢がありそうな町は留萌のみ。見所は何もなさそうだしユーチューブなどでチェックしても寂しげな所であるが、ビジネスホテルが何軒かあるので、ここに宿を取ることにする。道内宿泊地は、ニセコ・留萌・稚内・白金温泉の4ヶ所と決まる。
いつでかけるか?秋と言う案も無いではなかったが、北での気候変動は怖い。やはり初夏にしよう。前回は7月初旬、概ね天候には恵まれたがラベンダーには少し早かったので、出発を710日前後とし花人街道(国道237号線)走行を中旬に想定した。全体計画の決定因子はフェリー予約、新日本海フェリーは2カ月前からの受付。これがフェリーの一般的な予約期限と考え、510日太平洋フェリーのネット予約にアクセスすると、乗船は可能だが、部屋(ツインベッドルーム、トイレ風呂あり)の選択余地がほとんど無かった。やむなく残っていた一クラス上の部屋を確保した。同日引き続き宿泊先の予約を試みると、白金温泉は大型観光ホテル以外はすべて満室、ニセコも泊まれるところは限られ、第一希望はあきらめざるを得なかった。留萌のビジネスホテルもツインの部屋は残り1室、問題なかったのは稚内の大型都市ホテルのみ。北海道はハイシーズン、加えて3連休。見通しが甘かった。幸い、最も気になっていた新日本海フェリーは15日希望通りの部屋が取れた。
泊と食には不満の残る旅だったが、走りの点においてはこのクルマを持って以来最高のドライブだった。記念すべき年に、素晴らしいグランドツーリングが出来たことを、ドライブガイドを眺めながら、今じっくりと反芻堪能している。
この忘れ難しドライブ行を23日間隔で連載していく予定です。少しでも楽しんでいただいたり、お役に立てれば幸いです。

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(次回;仙台へ-いきなり直面したトラブル-)

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