2025年7月29日火曜日

満洲回想旅行(7)


7.瀋陽へ


623日(月)晴。8時半にホテルを発ち、大連北駅に向かう。在来線は従来から在る市街中心部の大連駅利用だが、高速鉄道(高鉄、新幹線)はバスで20分ほど北に行ったところに新設されている。ここは在来線とも接続しているが高鉄メイン、新大阪駅の感じだ。駅舎は広大なかまぼこ形で、中央コンコースが待合広場で椅子の数も半端でない。この理由の一つは、乗車方式が日本と異なり、空港のシステムに近い。

つまり、発車時間の
15分くらい前までプラットフォームに、自由に下りることは出来ず、この待合広場で改札が開くまで待機する必要があるのだ(このようなシステムのため、停車中の先頭車両写真撮影はほとんど不可)。また、この待合広場に入場する前に、セキュリティチェックもあり、これも空港と同じだ。


国内移動はすべて高鉄利用なので、今回はこの高鉄や駅務に触れてみる。中国の新幹線は日独のライセンス生産から始まりその路線距離ははるかにそれを上回るが、基本的に車輌はその改良型である。今回乗った高鉄は、すべて電車方式(動力分散)で内外装も我が国新幹線に酷似するものだった。運行の種類は日本同様、のぞみ・ひかり・こだまのように、各駅停車から特急まで数種あるが、使用車両に大差はない。ツアーで乗車したのは普通車、座席配置は通路を挟んで3席と2席、欧州で乗車した新幹線とは異なり、全部進行方向に向きを変えられる。少々違いがあるのはドアーの開閉方式。我が国のものは戸袋に収める方式だが、中国のものは外に押しだし側面に沿って移動する方式、旅客機と同じだ。これもありドアーが開いているときは出入り口通路にホームに向かって同一平面の踏み台が出てくる。トイレを一度利用してみたが、オールステンレスの跨がる形式だった。また、タバコを吸う人が多いからか、わりと広めの喫煙室があった。日本に比べ長距離運行が多いからだろう、前後のトランクルームが広い。ビュッフェの有無は確かめられなかったが、ワゴンによる車内販売があり、軽食・飲料はそれでまかなえ(これは日本では既に廃止)、車内清掃も適宜行われており、乗り心地・スピードと併せて、総じて国内新幹線と同じ感覚だった(それだけ面白味がない)。


駅務は先に述べたような空港方式で、これは日欧と大違いだ。セキュリティチェック・改札とも、パスポート(外国人)や顔認証(中国人)があり、ここでチョットしたトラブルが起こる。その際の処理は駅員によって違い、入場まで緊張感が解けない。大連北駅からは始発だったから、多少余裕があったものの、他の駅は通過駅、移動や手荷物の扱いに往生した(一番大変なのは全行程担当の現地ガイド;大連はガイドだかその他の都市は日本からの添乗員補佐)。


1001分大連北駅始発の和諧号(高鉄の愛称、ハーモニーの意)は我が国のこだまタイプ(各駅停車)、私の席は通路側C、写真を撮るには不向きだが、大連郊外の高層マンション群を取りあえずワンショット。実は、大都市はどこでも到着・出発10分前後、同様な景観が現われる。中心部は古い低層のアパートが密集しているのとは対照的だ。


出発後30分ほど過ぎたころ、ほとんどはげ山で灌木がまばらに生える丘陵地帯に入り、1942年の風景が蘇る。最寄駅は営口東、大連近郊と思っていたのは多分この辺りだったのだろう。これほど離れていることにいささか違和感を覚えたが、子供の記憶は距離や時間の間隔を欠いていたに違いない。


1156分瀋陽駅着、オンタイムだ。駅正面はリノベーションしているものの、昔のままとの説明が、この地のガイド張さんからあった。

 

写真上から;セキュリティチェック、待合広場、出発表示板、大連郊外車窓、瀋陽到着、ドアー構造、瀋陽駅(クリックすると拡大します)

 

(次回;瀋陽観光)

0 件のコメント: