2011年3月15日火曜日

決断科学ノート-62(東北・関東大震災-1)

 TCS-プロジェクトに関する連載を中断し、3月11日2時46分発生した東北・関東大震災に関する、リーダーの行動について、しばらく記してみたい。
 日本は地震国である。その為の備えは国家安全保障の重要な一要素であるが、地震予測・判定に科学者が関わる組織は出来ているもの、政治的判断を含めてトップの知恵袋になるような科学者は官邸にいたのだろうか?それとも(一応)理系出身ゆえにそのような存在は不要と考えているのであろうか?報道で見る首相や官房長官の言動を見ると、どうもそのようなブレーンが居るとは感じられない。それは引き続いて起こった原子力事故においても同じである(確かに保安院と言う組織はあるが、これは一行政機関に過ぎない)。明らかに両人は、専門家(科学者・技術者)のまとめたものを読んでいるに過ぎず、科学と政治が一体となった大胆な発想に乏しい。
 例えば緊急事態を宣言した後の退避指示の範囲が、3km→10km→20kmと如何にも小出しで、戦争における悪しき戦術、逐次投入を思い起こさせる。
 早い段階で原子炉事故の経験豊富なロシア(チェルノブイリ)、米国(スリーマイル)の経験者を呼ぶことなども、国内の単なるその分野の専門科学者とは異なる判断材料を得られたのではなかろうか?
 地震の事後対策にも種々の科学的知識(医療・輸送・ユーティリティなど)が必要である。それぞれに所轄の役所はあるが、その上に立って素早い決断・指示できる体制を作り上げためにも、政治に強い(ごく少数;数名の)科学スタッフを身辺に保持することを期待したい。科学戦であった第二次世界大戦に際し、チャーチルにはリンデマン(オックスフォード大)が、ルーズヴェルトにはバンネバー・ブッシュ(MIT)が居たように。

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