2013年6月12日水曜日

美濃・若狭・丹波グランド・ツアー1500km-7


6.郡上八幡(1
ホテル・旅館共通の玄関前駐車スペース置かれているクルマはダークブラウンのBrabus Benzだ。Brabusとはダイムラー・ベンツ公認チューンナップ・メーカーの一つ。有名なのはAMG(アー・マー・ゲー)であるが、これは完全な子会社で、わが国ではヤナセなどで扱われている。しかしBrabusは二人のドイツ人(BRAckmanBUSchmann)が始めた個人企業、三井物産が輸入総代理店で、独立系の外車ディーラーを通じて販売されている。都会でも先ずお目にかかれない珍しいクルマを「こんな鄙で!」と驚かされる。
チェックインが3時からであることは承知していたが、明るい内に街を見物する予定なので、着いたことの確認と観光情報を求めて早速館内に入る。誰もいないフロントに声をかけると、大きな犬が顔を出した。直ぐに奥のオフィスから40代と思しき男性が現れ、犬をオフィスに下がらせ、対応してくれる。どうやらオーナーらしい。ガイドマップにマークを入れながら観光スポットを説明してくれる。「小さな街なので、山上にある城めぐりを除けば、歩いて2時間位で充分廻れます」とのこと。早速強い日差しの中、散策に出かけた。
郡上市は平成16年に八幡町周辺の町村が合併してできた福井県境間まで及ぶ広い市だが、中心となる八幡町は、北から南へ流れる長良川沿い広がった山間の平地部で、市街地だけで田畑はほとんど無い狭い街だ。それでも16世紀には城が築かれた歴史を持つ古い城下町。春の桜、夏の郡上踊り、秋の紅葉には観光客が集まるようだが、このシーズンは特別な催しもなく季節を演出する自然もない。おまけに木曜日は定休日の店も多いようで、街は閑散としている。こんな時でも変わらないのは古くから在る用水路だ。事前に調べた情報でも“水の街”とあるし、フロントの案内でも水に関する所が多かった。
先ず訪ねたのは宿から最も近い“宗祇水(そうぎすい;環境庁選定「日本名水百選」第1号)”と呼ばれる、室町時代から続く湧水利用場所だ。段差になった四つの石造りの水槽は、上流から飲料、米磨ぎ、野菜洗いなどと使い分け、最後は長良川の支流へ流れ落ちる。ここへの路地だけが何故か人が集まって賑やかだ。近づいてみると中国人観光客だった。こんなチマチマした観光スポットを彼らはどう感じているのだろうか?(左上)
次は八幡町を貫く吉田川(先で長良川に合流)を渡り、これも用水が流れる“やなか水のこみち”へ向かう。この付近は小さな美術館なども在り落ち着いた雰囲気が良い。(右上)そこから一旦街の中心部に戻り東に向かうと、古い木造の旧八幡町役場(観光案内所)があり(左)、その脇をさらに東に向かって“いがわこみち”と呼ばれるかなり長い用水路に沿った道を行く。ここには鯉や名の知れぬ淡水魚が泳いでいて、水が名物の景観を楽しませてくれる。(右下)
この小道を出てしばらく行くと八幡小学校に突き当たるので、北へ折れて吉田川を跨ぐ学校橋”と名付けられた橋を渡っていると、“ここからの飛び込みは慣れぬ人には危険です”と言う看板が立っている。思い出したのは夏になると風物詩としてTVなどで紹介される、子供たちの飛び込みシーンである(飛び込んでいいのは一つ下流の新橋)。下を見ると深い淵になっているが、直ぐ横には岩が見え隠れしている。高さは7,8mあり、“慣れぬ人”どころか地元の人でも死につながる恐れも充分ある。“飛込み禁止!”とすべきだろう。それとも学童はいいのだろうか?これでマークをしてもらった水周りは一巡。次は街中を見て歩くことにする。
(写真はクリックすると拡大します)


(郡上八幡;つづく)

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