2013年11月20日水曜日

フランス紀行 南仏・プロヴァンス・パリを巡る--(14)


12.マルセイユのレストランとホテル
6時半だがまだ明るい。コの字型の旧港を囲む形で沢山のレストランやカフェが並び、この時間流行ってはいるが飲み物を摂っている人が多い。しかし日本人だからだろうか、ディナーの時間としておかしくはない。「今夜の夕食場所はこの近くです。予約は7時なのでチョッと市庁舎の辺りを散歩してそれからレストランにご案内します」 添乗員のOSNさんについてコの字の上を先(西)に向かって歩く。市庁舎は市役所とは異なり、ホールなどがある建物で、Hotelと書かれている。小規模な公会堂と言ったところ。近くには博物館などもあるが、格別の展示物があるわけではなさそうだ。要するにマルセイユという町はあまり文化を感じさせるところではなさそうである。フッと住んでいる横浜を思い浮かべた。文明開化以降の記念物はそれなりに在るものの、歴史が浅く、売りは専ら異国情緒。
7時少し前、コの字の角あたりまで戻り予約よりは早いがレストランに到着。外から見ると、テラス席・室内席(1階・2階)とかなり広いが、カフェは営んでおらず客はまだ全くいない。オーナーが出てきてOSNさんと話をして、我々をテーブルに案内してくれる。港に面したテラス席できわめてカジュアルな感じだ。
店の名は〝AU SANGLIER”(いのしし)、猪亭と言ったところか。メインは猪を食材としたジビエ料理でも楽しめるのかと思ったが、その家畜化した末裔の豚だと言う。肉料理だから赤が順当なところだが、自由行動で歩き廻ったこともあり、久しぶりにビールが飲みたくなった。生は無いというのでフランスの壜ビール、クローネンブルグを注文し2本でポーク料理を賞味した。料理の味は特に印象に残るほどではなかったが、我々が入ったあとは地元の人・観光客千客万来で店は大賑わい。日本人は皆無で、前日のニースとは大違い。街・人・料理が渾然一体となり旅の食事として理想的な雰囲気がなんとも嬉しい。
8時過ぎ夕食を終え、美しくライトアップされた市庁舎前からバスに乗る。市内のホテルはどこも満室、今夜の宿は約20㎞西にある、マルセイユ・プロヴァンス空港近くにある。夜の自動車専用道路は真っ暗、アルコールと疲れで寝入ってしまう。気が付くと暗闇の中で運転手と外にいる人が何やら話し合っている。どうやらホテルの敷地内らしいが、駐車している車で、大型のバスが玄関の車寄せに近づけないので騒いでいたようだ。
プルマン・マルセイユ・プロヴァンス・ホテルは空港ホテルと聞いていたが、飛行機の発着の音がしないばかりか、昼間のように滑走路や付帯設備を照らす明かりすら見えない。チェックイン時フロントが二人いるだけで、ロビーに客は誰もいない。静かで作りも新しく、内部はアメリカの高級モーテルのような感じのホテルであった。鍵をもらって部屋に入るとびっくりした!ツインではなくダブルの部屋だったのだ。早速フロントに出かけてその旨伝えると、手違いを詫びて直ぐ別の部屋を用意してくれた。部屋は清潔で広く、むろん床がベコベコしたりしない。風呂に入りこの夜も爆睡した。
翌朝朝食に降りるときエレヴェータで東アジア人の婦人と一緒になった。英語で「どちらから?」と聞いたら「台湾からです」との答え。彼らも少人数グループで、食堂でも静かに食事をしていた。
ニースと比べると、マルセイユはレストラン、ホテルともはるかに良かった。
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(次回;石造り重畳のゴルド)

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