2016年5月10日火曜日

九州遠征超長距離ドライブ(15)


12.鹿児島市内観光-2
320日(日)。鹿児島第一夜は子供がいることもあり、9時まえに食事を終わり各自の部屋に戻った。もう一度空いた大浴場でゆっくりひと浴びと考えていたが、飲んだ後はいつ同様バタンキューで就寝。おかげで朝は夜明け前に目が覚め、桜島の向うに輝く朝日を眺めたあと、6時からの朝風呂を堪能し、昨日の忙しない入浴とレストランの混乱に依る不快感を何とか帳消しできた。
今日の予定は、先ず市内北東に在る島津家別邸あと、仙巌園(せんがんえん)に出かけ、邸宅・庭園とそれに付帯する尚古集成館と名付けられた幕末の工場を利用した小技術博物館を見て、市内へ戻りフェリー乗り場に隣接する水族館で昼食と見学、それから指宿に向かうことになっている。
3連休の中日(日曜日)ということもありどこも混雑が予想されるのでホテル出発は9時、途中チョッとナビの案内を間違え到着は9時半。幸い駐車場は充分空きがあった。仙巌園は44年前に来たとき一度訪れて、庭園から鹿児島湾とその先に見える桜島を眺めその美しさに魅せられたこと、それ以上に明治維新前から薩摩藩が技術修得に熱心に取り組んでいた歴史に感銘を受けたことから、再度の訪問となった。
庭園築造は17世紀に遡るようだが、基本コンセプトは“鹿児島湾を池、桜島を築山”とする雄大な借景を創りだすことにあった。何とも稀有壮大な構想である。篤姫・勝海舟・グラバー・ロシア皇帝など歴史に残る人物が訪問・滞在したこともここを特別な場所にしている。だが私の興味は専ら集成館の方にある。建物は往時(1800年代初期~中期)実際に工場だった所で、そこで使われあるいは製造された蒸気機関、動力伝達装置(歯車製造など)、旋盤、光学器械などが展示されているのだ。前回訪問時、維新の遥か以前にこれだけの設備を整えた先見性に驚かされ、これを鋭意進めた斉彬(なりあきら)に畏怖の念さえ覚えた(父はなかなか家督を継がせず、妾腹の弟、久光一派との間のお家騒動は斉彬の西洋かぶれ(蘭癖)を慮って起こったとも言われるが)。日本近代工業史の1ページ目を飾るここをエンジニアである息子や婿に見せるのが第一目的であったが、密かに8歳の孫にも「何か残ってくれれば」と期待した。このあと同じ敷地内にある薩摩切子製作過程を実演する工場も見学して午前の観光を終えた。
次に向かったのは鹿児島港の一角にあるかごしま水族館。孫ふたりのために用意した観光スポットである。桜島とのフェリーや海浜公園、催し物会場などが在る地区で、それらの利用者のために広大な駐車場が何カ所か設けられているが、休日の昼時、水族館やフェリー乗り場に近いところは何処も満車でかなり遠いところに止めざるを得なかった。水族館のレストランで昼食を摂ったあと、館内を巡る。最近水族館へ出かけることなど無いので他との比較はできないが、それほど特別な見どころがあるようには思えない。しかし大水槽の中で巨大なジンベイザメが遊弋しているのを眺めていると、運転のせわしさで過ごしてきたここ数日とは明らかに異なる開放感のような気分に浸れる。無論孫たちは大喜び、イルカショウでは最前列に席を占め、タッチまでさせてもらい感激一入、ここを選んだことは正解だった。
3時過ぎ、次女は明日から仕事なのでここで別れて一人鹿児島中央駅から空港に向かい、我々8人は指宿を目指して国道226号線を南東へ走り出した。この道は海岸を左(東)に見ながら延びており、途中喜入の広大な原油基地などが遠望できる。夏が来たような陽気の中を約1時間半走って5時前いわさき指宿ホテル到着。ここも大規模ホテルだが、サンロイヤルよりは敷地やロビーがはるかにゆったりしており“リゾート感”があるのが好ましい。

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(次回;指宿)

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