2016年8月16日火曜日

呪われた旅-4

8.     Dart道路を走る
C24に入ってすぐに被害を受ける。すれ違いざまに石礫の攻撃を受け、フロントガラスに大きな傷が出来る。何で俺に?最初の日に?保険でカバーされていたかどうか分からなかったから結構ショックであった。取敢えず運転に支障はなかったのは不幸中の幸い。
道路は中央が高いので、左によると左への分力が生じ、右へハンドルを切って走る必要がある。戻るときが問題となる、急に戻ると車が右に流れるのでカウンターをあてることになるが、タイミングによって尻を振ることになる。そうなると制御することは困難となり、車は回転し始める。危うく事故になりかけたこともあったが、車が少ないこともあって一命をとりとめることが出来た。LuckyポイントJ。その後、左への寄りすぎには十分注意をはらいつつ慎重に運転するにつれ、Dart走行にも慣れてきて時速100㎞くらいで走行できるようになった。勿論まっすぐで対向車がいない状況だけである。
周りは荒野である。Namibian砂漠が延々と広がっている。時々高いところに鳥の巣と思われる異様な光景も展開するが、それ以上不思議なことはこんな荒野の人影も見えないような土地なのにほとんどの土地がフェンスで区切られていることである。きっと、人影が無いことをいいことに白人どもが囲い込みを行っているに違いない。この巣も電柱の上に作られている。鳥には囲いは有効ではないらしい。
その後は順調なドライブが続き10時にWindhoekをでてから5時間ほどでSesriem近くの最初の宿に到着した。ここには2泊の予定であったが、例のTrouble1泊はCancelとなってしまった(勿論有料)。約500㎞を走ったので、Googleでの距離の1.5倍くらい走った感じである。
ここはGondwana Groupが経営するLodgeの一つで砂漠に建てられた高級リゾートホテルという趣である。ここでも中国人の進出は目につき、10人以上の団体が「ナミビアの自然を撮る会」主催の海外Tourといった趣で、高倍率の望遠レンズを装備した高級カメラをぶら下げて周りを徘徊していた。庭?には水飲み場が設えられており、野生のOryxがウロウロしていて野趣を演出していた。
その夜、念願の星空観察を行おうと宿から少し離れて夜空を眺めた。満天の星が輝いていたが、あまりに数が多すぎてどれが南十字星かマゼラン星雲かさっぱり分からなかった。やはりガイドが必要である。天の川は最初夜空の雲かと見惑い、星とは気付か なかった。考えてみれば、漆黒の闇に雲など見えるはずはないのであるが、もう随分長く天の川を見ていないので分からなかった。絞りを開放にして撮った写真があるが、奇妙なことにおかしな光の動きが映っている。この間夜空を眺めていたのだが、肉眼では何も確認出来ていないが、ご覧のように数秒間の間にレの字のように光が移動している。UFOがこちらのカメラに気付き高速で移動したとしか考えられない。不思議なこともあるものだ。

9.  旅のハイライトDune45
旭に輝くDuneを撮影すべく朝食弁当を貰って朝5時に宿を後にする。Duneは国立公園内にあり、朝6時半にしか開かない。公園入口に着くと既に何台かの車が同じように入園待ちをしている。
実は公園内にもロッジがあり、そちらに宿泊したかったのだが間違えて今回の宿を予約してしまった。後で分かったが、公園内のロッジは既に満室で予約はいずれにしろ出来なかったようだ。High Seasonは3か月くらい前には予約した方がいいみたい。
公園内には右も左のDuneが一杯。Dune45はその中でも姿の美しさで知られ、ポスターなどで度々紹介されている。ここに野生のOryxが歩いていれば、最高の撮影チャンスであるが、そう都合よく現れるはずもない。Duneは何億年もかけて大西洋からの強風と砂が作り上げた芸術作品であり、自然の力には圧倒される。
途中にDuneを歩いて登れるスポットが用意されていたが、砂が崩れるので中々すたすたとは登れない。最後まで登頂することを放棄し途中から下山することにする。言い訳ながら、もし当初の日程なら最後まで頑張っていただろう。
公園内を何十キロか走った先に、ここからは四駆以外走行禁止区域があり、車の走行を制限していた。こっちは四駆なのでここに踏み入れたが、途中でスタック。公園内のパトロールが車の空気圧を抜いて脱出を手伝ってくれた。流石は国立公園と思っていたが、チップを要求され世界標準の厳しさを味わう。それ以上行くとまたスタックしそうでここでメゲテしまって引き返す。何度も言うようだが、当初日程だったら最後まで行っていた。
午前10時ごろに公園を後にしてFish Riverに向かう。今日も500㎞くらいは走らなければならない。今から出れば明るいうちには目的地に着けるはず。ナビを次の目的地にセットして出発するも、ナビの指示は反対方向。Googleで事前に調べてあった地図と方向感覚を頼りに一路南下。眼前には7色の砂漠が地球の原初風景を思わせる幻想的な眺望を提供してくれる。すれ違う車もなく、見渡す限りの荒野。このような環境にいると、守ってくれる自然もなく神はアッラーのみであると実感させられる。

この時奇妙なことに気付いた。南に向かっているのに太陽が後ろにある。そうか!ここは南半球なのだ。お蔭で眼前の風景はいつも輝いて見える。頭では理解できるが、やはり違和感がある。この話には後日談があり、Jeddahからの帰り、フィリピン人のタクシー運転手とこの話をしていたのだが、突然彼が方位磁石を持ってないかと聞く。「今は北に向かっているはずなのに何で太陽は右にあるのだ」と聞く。確かに影は右から左に伸びている。きっと一時的に東に向かっているのではと言って、ナビをつけさせたが、確かに北を指して移動している。そこで気が付いた。今は夏至に近く、サウジは北回帰線近くあるため、太陽は東から真上を通って西に移動する。つまり影は、午前中は常に東から西に、午後は西から東に延びることになる。この時は11時頃だったので、太陽は右(東)に見えたのだ。日本の常識が世界の常識ではないことを改めて自覚させられた出来事だった。

(つづく)


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