2019年7月27日土曜日

道北ドライブ2000km-4



80yrs Memorial Run to The Northernmost

4.フェリー“いしかり”
2011年の道東ドライブの際は往復とも大洗(茨城)-苫小牧間のサンフラワーフェリーを利用したが、今回は翌日の行動時間の余裕を充分取りたく、仙台から苫小牧に向かう太平洋フェリーにした。これだと苫小牧到着は11時。下船に30分かかるとしても、1時頃にはこの日の宿泊地ニセコへの中継点支笏湖にたどり着け、周辺の観光が出来ると考えたからだ。
フェリーをあれこれ調べていた時、帰りの新日本海フェリーの予約開始は2カ月前となっており、確かめもせず太平洋フェリーも同様と思い込んでしまい、出発予定日の2カ月前、510日にインターネット予約を試みたところ、希望する客室;洋室ツイン、バス・トイレ付き、オーシャンビュー(特等)、は沢山ある部屋が既に満室、キャンセル待ちとなっていた。なぜこんなに早くから?の疑問が解けるのは乗船してから。特等以外で要求を満たす部屋はセミスウィート、スウィート、ロイヤルスウィートの3クラス、部屋数も限られる上にスウィート1室以外はこれも既に埋まっている。やむなく残るスウィートを予約する結果になった。
この航路は仙台が起点ではなく名古屋→仙台→苫小牧。これも予約状況と関係しているようだ。船は“いしかり”、全長;200m、総トン数;157百屯、速度;26.5ノット、旅客定員;777名、搭載車両;トラック(12m184台、乗用車100台。旅客デッキは3層、車両デッキは4層。私が今まで乗ったことのある船では最大の大きさである。
仙台港のフェエリー乗り場に到着し、待ち行列に案内された頃には既に名古屋からのクルマが下船を始めており、前部からは乗用車、後部からコンテナートレーラーが続々と上陸していた。コンテナーは仙台港に用意された牽引車で引きだす方式でコンテナーを所定の場所で切り離すと船に戻っていくのが、ターミナル待合室からよく見える。あとはそれぞれの陸運会社の牽引になるのだ。この方式は今まで利用したフェリーすべてに共通するが今回は特に多い。新造船を次々に投入できるのはこのせいではなかろうか。
乗船開始時刻は1815分から(同乗者は1840分、ターミナル待合室から長い搭乗デッキを通って乗り込む)。大型トラック、トレーラーは別途先に積み込まれており、これは待合ラインに並んだ車両だけ。目立つのはバイク、それにキャンピングカーの多いことである。特に、キャンピングカーは先の道東行きや大分-神戸航路では見かけた記憶がない。仙台港ゆえか?あるいは船会社の経営ゆえか?
いつもフェリーを利用する時に問題なるのがクルマの地上高(地上と車両底面の間隔)である。一般車に比べ低いので渡り板の凹凸に引っかかる恐れがあるのだ。大分から乗るときは、船がある程度沈み込むまで、早く行列に並んだのに待たされたこともある。今回も誘導係のおじさんがやってきて地上高をチェック「15センチあるから大丈夫でしょう。凹凸に気を付けて乗り込んでください」と注意を受ける。案内に従って導かれたのは第3デッキ前方、前後はSUVとワゴン車、少し先はバイク置き場だ。車両デッキは出港前に封鎖されてしまうので、明日まで必要なものだけをリュックに予め分け、大半はトランクに残すのだが、キーが外せないので助手席側のドアーは開放可、いささか心配だ。とにかくキーが残っていることが分からぬよう衣類で覆い、クルマを離れる。フロントは二つ上階の第5デッキ、車両デッキからのエレヴェータはここまでしか無く、エレヴェータ前に待機する案内員が船室のある第6デッキへ行く別のエレヴェータの利用を指示してくれる。たどり着いた部屋は最前部左舷、広さは都市型ホテルのツインベッドルームとほぼ同等だが、前面と左舷に窓があり見晴らしはなかなかのものだ。同じ階の後部はレストランこれも便利で助かる。やがて案内嬢同道で家人も到着、部屋の利用法を一通り説明した後「最上階デッキが操舵室になっているので、夜間は前面窓のカーテンを閉めて下さい」と注意を受ける。船舶航行のルールのようだ。家人が案内嬢から得た情報によると、今回はツアーグループが多く、加えて陸上自衛隊の訓練に向かう部隊も乗船、早くから船室が埋まってしまったとのこと。これで特等満室の疑問が解けた。
出港時刻は1940分だがレストランのオープンは19時から。部屋でひと風呂浴びて向かったが、既にほとんどの席は占拠されておりビュッフェスタイルの食事が用意された場所から遥か後方にしか空いたところは無かった。先ず生ビールだがこれも長い行列。あまり代わり映えのしない和洋中華の料理を取るのも行列、“団体旅行恐るべし”を呈していた。この食事風景はいずれのフェリーも程度の差こそあれ同様。唯一気に入らない点である。食事の後プロムナードデッキに出てみた。もう夜の帳はおり松島方面に明かりが点々と見えるだけだった。

写真;いしかり3葉
(写真はクリックすると拡大します)

(次回;支笏湖からニセコへ)

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