2019年8月3日土曜日

道北ドライブ2000km-6



80yrs Memorial Run to The Northernmost

6.湯心亭
北海道一夜目はリゾート地として有名なニセコアンヌプリ、温泉地でもある。第一回でも触れたが、今回は宿泊先予約がなかなか希望通りいかなかった。通常温泉地の場合は、なるべくこじんまりした旅館で、“それなり”の評価の所を選ぶ。団体客の喧騒を避けるためである。ニセコの場合、立派なリゾートホテルは多々あるのだがインバウンドを含めツアー客御用達が危惧されたので、そのようなホテルは最初から除外した。そこで、23日本旅館を候補にしていたが2カ月前に予約をこころみると、第一希望ではないここ湯心亭(ゆごころてい)しか残っていいなかった。まあ、一応候補ではあったし、ガイドブックや地図にも名前が出ており、和洋ツウィンが確保できたので良しとした。
道の駅“ニセコヴュープラザ”から函館と札幌を結ぶ国道5号線を横切り西に道道66号を進むと、JRニセコ駅への案内表示も現れるが急に周辺は寂しくなる。20分ほどすると右側に低層茶色のコンクリート造りのビルが見えてきて、ナビが「目的地周辺です」と案内を終わる。道道沿いに広い駐車場があり、建物の一階中央に“ゆ”と記された大きな暖簾がかかりその右に“湯心亭”が石壁に貼り付けられている。間違いなくここだ。例によってキーはロックされたまま外れないが、エンジンが冷えたところで外せばいい(夕食後難なく外せた)。荷物持って暖簾をくぐりドアーを開けると目の前は壁で、右側にちょうど銭湯にあるような下足箱が並んでいる。一瞬「入口を間違えたのだろう?」と思ったところへ、何か用事でここに来ていたらしい若い男性が現れたので「ホテルの入口はどこでしょうか?」と問うと、「アッ、ここでいいんです」と直ぐに中に居る人に来客があることを告げてくれた。作務衣を着た男の人が出てきて、靴を下足棚に収めながら、フロントデスクやL型に椅子が配置された民芸調のロビーに案内してくれ奥へ消える。代わって現れたのがこれも作務衣をまとった女性。宿泊カード記入後に、夕食時間と翌日の朝食時間を確認した後、館内の簡単な説明をしてカギを渡してくれた。決して不快ではないが“それなり”の旅館の接客対応とはかなり雰囲気が異なり淡白なものだった。
部屋は2階の突き当り、道路に面する側だ。カギを開けて中を見てチョッとギョッとなった。入口の直ぐ右側に小さなキッチン台があり、壁面にパイプが走っている。左側は狭いトイレ付きユニットバス。洗面はキッチン台でするのだ。部屋は10畳程度の和室、そこに和室用の低層ベッドが二つ、一番奥(窓側)に小さなテーブルを挟んで2脚の椅子が置かれている。すべてが如何にも使い込んだ様子だが、清潔感は保たれており、それが救いだ。値段(2食付きで一人5千円)を考えれば十分すぎるくらいだが、率直に言って「もう少しましなところに泊まりたかったな~」が第一印象である。
夕食は6時半に予約したので、時間の余裕はある。早速汗を流し今日一日のドライブの疲れを癒すために温泉へ。内湯は56人の規模。先客が一人いたが私が入ると露天風呂の方へ出ていった。温泉は無色無臭で温度も適温。露天風呂は内湯から渡り廊下で5m位のところに在った。びっくりするほどの広さ。こんな広い露天風呂は今まで体験したことが無い。周辺は林で展望は効かないが風呂自体は岩が自然に配置され、中に小さなあずまやさえある。この温泉は水の追加や追い焚きを全くしていないとのこと。先ほどの部屋に対する印象を払拭して、おつりがくるくらいだ。結局、就寝前、朝の起き抜けと3回入浴を楽しんだ。
夕食は、メインが豚のしゃぶしゃぶ。食材はすべて地産のもの。数・味・量とも申し分なかった。朝食も同様だが、おかずの数が多く、食糧難時代を経験した世代には、いささか片付けるのに苦慮した。
結論から言えば、露天風呂と価格を考えると限りなく5星を与えて良い所だった。

写真は上から;湯心亭、同パンフレット、夕食メニュー

(写真はクリックすると拡大します)

(次回;カブトラインと神威岬)

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

道北ドライブ、臨場感のある記事で私がその場にいるようです!