2019年11月14日木曜日

最後のグランドツーリング-1



1.突然の発症

7月中旬道北ドライブでエンジンキーが一時抜けなくなるトラブルがあったことは“道北ドライブ”で報告した。旅の途中で問題は自然解消していたのだが、気になるのでお盆明けに点検をすることにし、819日、第三京浜港北IC近くに在るサービス工場に持ち込んだ。帰路は横浜地下鉄に新羽から乗車、横浜駅周辺で雑事を処理した後京浜急行で最寄り駅金沢文庫に戻る。横浜駅で地下鉄を降り地上へ出る際、数段しかない階段で左足がよろけた。しかし、その後は問題なく雑用を済ませ、金沢文庫駅へ無事着いた。ホームから改札へはエスカレータを利用、下りは階段だが何故か足元に自信が無く、手すりを伝いながら地上に出た。自宅は少し高い所にあるので、この日は遠回りだがバスを利用して帰宅した。家の中でも階段の昇り降りが何故か不自然になる。22日点検を依頼したクルマを受けりに徒歩で駅に向かったが左足が引きずる状態になっている。変だとは思ったが駅ではエスカレータやエレベータを利用してサービス工場に着いた。キーロックは再現せず、帰りはクルマで問題なく自宅まで戻った。
しかし、その後も左下肢の異常は依然解消しない。829日現役時代からのかかりつけ医(恵比寿)に出かけ、この件を告げたところ「軽い脳梗塞かな?」との診断、このクリニックには設備が無いので95日渋谷にあるMRIスキャンクリニックで検査を受ける手続きをし、当日そこへ赴いた。撮影結果を診た担当医は「脳内出血が認められるので、この足で恵比寿のクリニックに寄り担当医の診断を受けるように」と撮影済みの映像CDを渡してくれた。
恵比寿のクリニックでは生憎担当医は休診日だったが他の医師が映像を確認し「自宅近くで適当な規模の病院はあるか?」と問われる。行ったことは無かったが横浜市立大学付属病院がひと駅先の金沢八景に在ると答えると、直ぐにそこへ電話をし、脳神経外科に受け入れ可能かどうか問い合わせ、OKの返事を取り付けてくれた。「直ぐにそこに行ってください。多分即入院となると思います」とのこと。
当日京浜急行は東神奈川駅付近でトラックと衝突事故を起こして不通になっていたが、京浜東北線で新杉田に出てシーサイドラインで病院駅に到達、直ぐに検査を受けたところ「硬膜下血腫」と診断され「家族を直ぐ呼ぶように」と言われる。家人が来たところで病状と手術の内容が説明され、同夜5時過ぎに手術と相成った。術後48時間は特別病室にいたが3日目に一般病棟に異動。歩行は正常に戻り問題なかったが、食事時やアンケート記入などでは時に手の震えが起き、きちんと字が書けないことが生じていた。振り返ってみるとこの症状も左下肢異常の少し前からあったような気もする。
私の運転免許証更新期限は来年1月末。既に認知症検定の申し込みはしてあり期日は930日だった。13日に退院はしたものの、925日の術後検診でも手の震えが残り、今度は脳神経内科の診断を受けることになり、震えを抑制する薬を服用、この術後検診の結果から認知症機能テストの回答を書ける自信はなかったし、家族も運転を止めるよう強く訴えるので、今では字を書くことにも自動車運転にも問題は無くなったが、60年近く続けてきた自動車運転を止める決断した。
そして最後のツーリングを115日~7日、秋深まる蓼科方面で終えることにした。今回はそのラストドライブの報告である。

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