2024年1月13日土曜日

一人参加の三陸ツアー(6)


6.グリーンピア三陸みやこ(Hotel Green pia Sanriku MiyakoPost-tsunami evacuation site


島越駅を出たのは1645分頃、既に暗くなってきている。この辺りを走る主要道路は県道44号線、国道45線、それに震災後復興道路として本格的に建設が進められた三陸縦貫道路(三陸自動車道)、駅前広場からしばらくは明かりの全くない44号線を南下、この道は大型バスには狭すぎ曲がりも厳しい。ここを抜け国道45号線を経て三陸自動車道(三陸道)に入ると、バスはいくつものトンネルを通過しながら暗夜を爆走、17時半今夜の宿泊先グリーンピア三陸みやこに到着した。ホテルは赤々と照明されているものの、リゾートホテルなので周辺は暗闇の中、どんなところか皆目分からないが外見だけは立派だ。


指定された部屋は411号室、ツアーに申込むとき1人利用を希望、そのための追加料金も払っている。予想していたのはツインかダブルの洋室だったが、部屋に入ると何と10畳の和室!トイレ・洗面・縁側はあるものの、バス・シャワーは無し。「こんなはずではなかったが・・・」が第一印象である。歳をとると和室生活は意外と苦痛、自宅の寝室も和から洋にリフォームしたくらいだ。これからの旅で最初のチェックポイントを部屋に置くことをこの時点で決心する。

大浴場でひと風呂浴び、18時半から大部屋で夕食。大部分の参加者は二人組でひとテーブル、三人組・四人組も同じ、そして私は唯一一人テーブル。聴力低下で会話が面倒な者にこれはむしろ好ましい。献立は地元の海産物を使った和風フルコース。これはまずまず期待通り、生ビールジョッキ2杯ですべて片付けた。中でも前菜にあったホヤは絶品、量はわずかだったが「さすが岩手!」の感を深くした。


朝明るくなり周辺を見渡すと敷地内の紅葉が美しい。朝食はごく平凡なビュフェスタイル。家では軽い洋食、旅行中もだいたい同じ傾向だが、旅先では少々選択肢が増えるのが楽しみだ。しかし、ここのビュフェは圧倒的に和食中心。洋食は貧相で、卵料理は水っぽいスクランブルとゆで卵のみ。ハム・ソーセージも2種類程度。パンに至っては通常サイズの食パンは無く、見たこともない小サイズ、あとは買い置きのようなロールパンとクロワッサンだけ。チーズなど皆無だ。ジュースが2種、ミルク、果物数種、それにコーヒー・紅茶。一応揃ってはいるが、和食との差は著しく、洋食ベースの外国人にはとても満足してもらえないだろう。これは次の釜石も同様だった。

見聞した震災とこのホテルの関係を紹介しておく。ホテルの住所は宮古市田老、田老の町は津波で壊滅し死者・行方不明者約200名に達するが、ここは標高140m、海から600mほど離れており、1階は多少地震の被害があったが客室は利用可、当面の避難民を受け入れ、のちにテニスコートやグランドを仮設住宅用に提供、400棟が敷地内に建てられていたという。和室に不満だったが、こんな際の収容人員増には役立ったに違いない。

 

(つづく)

 

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