2010年12月28日火曜日

黒部・飛騨を駆ける-5(高山-1)

 長い飛騨トンネルを抜けても、それが判らぬほどの夜の帳の中にあった。さらに次々とトンネルが続くので、闇の中に見えるのは道路と時々現れる標識だけだ。20分くらい走ると高山清見道路への分岐点、飛騨清見ICに到達、ここで東海北陸道に別れを告げる。分岐すると直ぐに小鳥(おどり)トンネル(4.4km)に入り、その後もいくつかのトンネルを通過して終点の高山ICで名古屋と富山を結ぶ国道41号線に出る。ここはもう高山の市街なので、長い闇からやっと開放される。さらに飛騨と信州を結ぶ幹線道路、158号線に入る。交通量が多い。実は今夜の宿は出来たのが新しく、古いマップではピンポイントで場所を特定できない。一応「付近まで案内します」でここまでやってきたので、道路標識とカーナビに神経を集中して進路を選んでいく。高山線の跨線橋の上からホテルのネオンサインが見えた時にはホッとした。到着は5時45分、ほぼ計画通りだ。
 高山の宿探しのキーは夕食だった。今までのドライブ行で旅館の夕食付きが二晩続くとその量や内容に辟易することが多かった。前夜は宇奈月で典型的な観光旅館料理、ここではそれは避けて、駅周辺のビジネスホテルに泊まり、夕食は外のレストランで名物の飛騨牛を食すことを目論んだ。それで見つけたのが「飛騨花里の湯;高山桜庵(おうあん)」である。設備を調べた時、部屋にはシャワーしかなく、風呂は大浴場があるとあった。さらに部屋は畳敷きで、ベッドも高さの低い和風と書いてある。妙な感じもしたが、値段が手ごろで場所も駅に近いのでここに決めたわけである。
 車を駐車場に停め、ホテルに入ると、このホテルのホームページに書かれた妙な造りが理解できた。ここはビジネスホテル型観光ホテルなのである。フロントではリュックを背負った若い外国人が数人交渉中だった。聞いていると「部屋の作りは日本式か?」などとやっている。よく見るとロビーは絨緞だが、その先に上がり框がありそこで靴を脱いで、館内に入るようになっており、框から先は畳敷(とは言っても正方形のビニール畳だが)になっている。彼等は納得してここに泊まることにしたようだ。風呂屋の下駄箱を大きくしたような所へ靴を仕舞い、エレベーターに載ると、そこも畳敷きである!
 食事はフロントで予約してもらい、フランス料理の「ル・ミディ」という店で摂ることにした。ホテルから歩いて約10分、客席は15,6人程度の、いかにもフランスの地方都市にありそうな雰囲気の店であった。7時頃着くと客は一組しか居なかった。会話を聞いているとどうやら土地の人らしい。これは好ましいことである。
 メニューは飛騨牛以外に、シーフード料理などもあるのだが、ここへ来た観光客としてはやはりビーフステーキであろう。ウェートレスが進めてくれたのはそのセットメニュー、食材は全て地のものだという(翌日の朝市で、シェフが買い物をしているのを見た)。前菜、スープ、デザート付きで5000円/人は高くない。サーロインを赤ワインで堪能した。しばらくするとやはり地元の人と思しき、若いカップルが二組ほどやってきた。土地の人々が気軽に来られるところに、何かヨーロッパ風な感じがした。
 ほろ酔い気分でホテルに帰ると、大浴場へ出かけてみた。7階建ての最上階にある浴室には露天風呂もあり、そこからは高山の街が一望できる。和洋折衷の妙なホテルと思ったが、これからはこんなスタイルが受けるのかもしれない。
(次回;高山-2)
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