2015年5月18日月曜日

上州・信州山岳ドライブ-3


3.八ッ場ダム建設地
草津を熟知している又従兄弟からの案内には、ドライブの道程として上信越道の碓氷軽井沢ICからの道と関越道渋川伊香保IC経由の2案が記載されていたが、渋川伊香保ルートが一般的とあり、この案を採るなら道の駅“八ッ場ふるさと館”に立ち寄ることを薦めるとあった。八ッ場ダムのことは行政改革の中で断片的には聞いてはいたが、それが全国に知れ渡ったのは何と言っても民主党政権成立で前原国土交通大臣が工事にストップをかけてからだろう。しかし、今回のドライブまで正確にはどこにあるのか知らなかったので「あの有名地に是非寄ってみよう」と昼食地としてここを定めた。
榛名湖を発ったのは12時過ぎ、県道28号線を北西にとって国道145号線との合流点を目指す。道は概ね舗装された2車線、交通量も極めて少なくアップダウンとワインディングで運転を存分に楽しむ。郷原と言う所で国道に入るとこれが草津方面への幹線道路となるので、クルマの往来が多くなるとともに、ダンプが増えてくる。道も随所で工事の進捗状況に合わせて迂回路を走らされる。はるか遠方の高い位置を走る橋が見えてくるが、クルマは長いトンネル(吾妻峡トンネル;1769M)に入り視界から消える。トンネルを抜けると直ぐに、目の前に先ほど遠景した橋が現れ、それを渡ると2車線の道路がやがて湖水に沈む利根川の支流、吾妻川の谷を下に見ながら西へ延びていく。あとで分かることだが、これがTVに“(未完の)建設中の橋”として何度も出てきていた八ッ場大橋(494M)である。ダムの直前に架かる第一湖面橋だが今はまだ水が無いので、橋脚の高さは驚くほどだ(TVではこれを下から撮っていた)。ここから更に上流へ2kmくらい遡った所に湖面第二橋の不動大橋(590M)が完成しており、その横に“八ッ場ふるさと館”が在った。
最近のドライブではトイレ休憩、昼食、お土産と何かと便利で利用することの多い道の駅。観光客ばかりが相手ではなく、地元のコミュニティ・センターやショッピング・センターの役割を兼ねているところが多いが、ここは専ら“八ッ場”を売り物にする観光特化のこじんまりした施設であった。ダム完成後を模した立体地図、事業計画・進捗状況を説明する資料などがあり、話題の公共投資の実態を学ぶには格好の場所である(とは言っても今までに投入された予算額は全くここでは分からない)。昭和27年(1952年」に調査予算がついて、今年まで63年、延期された完成時期は2020年だからほぼ70年の歴史となる。水の需給は計画立案時とは大きく違ってきており、水がめとしての役割は必要なくなってきている。こんなことならこの地区に居住する成人全員を定年まで雇用する別事業(+道路整備)を進めた方がはるかに税金投入は少なく済んだに違いない。だからといってあの段階で中止は無かっただろうが・・・。昼食は天ぷらそば、天ぷらとそばが別に供されるのがいい。
昼食後不動大橋の上を対岸まで歩いてみた。かつての吾妻線が谷底に錆びついた姿をさらしている。旧国道はまだ工事用に使われているようだ。橋を渡り切ったところには名前の基となる不動滝があるのだが、好天で水量は乏しかった。山にも全く雪は見えない。ダムが完成しても、充分水がたまるのだろうか?こんな疑問が残った八ッ場であった。

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(次回;草津温泉)

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